内容説明
「人工の狂気をうちたてる殉教的な情熱」(竹本健治)―密室状態の部屋から突然女の悲鳴が聞こえたが、女の姿はかき消え、香川京平の絞殺死体が発見された。その6週間前に、小説『蝶』を書いた池田賢一少年が不可解な死を遂げた。両者の関連は。そして作者の言う「読者が事件の被害者にして犯人」の真相とは。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
雪紫
54
「★《犯人》=「探偵」=「証人」=「被害者」=《作者》⇒《読者》」。このネタに「供物」や「失楽」の影響に学生運動や家庭内暴力、作中作を合わせたら・・・いや、なんでこうなる?これは失われた青春と魂への叫びの供物(ただし影響元と趣向に囚われ過ぎてる)。青春というより青臭さは読む前に聞いた印象より悪くないものの、肝心のネタ及び蝶の真相は・・・煙に巻く系の「はあ?」で、辻さんや積木さんは良く出来てたなあ。としか。・・・しかし、読んでてまほろの天帝シリーズ思い浮かんだのはわたしだけか(あれも奇書挑みの作品だけど)?2024/11/03
nac
4
★★★2025/08/09
たかだい
3
『読者=犯人』の図式に果敢に挑んだ意欲作にして問題作 作中の構成等によって夢と現が入り混じるような不思議な読者体験が楽しめる点も、本書の特徴でしょうか しかし、前提の図式がそもそも難しいっていう断りはあれど、正直、その真相というか『読者=犯人』はちょっと納得いかないかなと思う また、読んでいて何やらミステリーっていうより禅問答や説教を見せられている気分になってきたのも減点ポイントだったように思います2025/09/12
白いカラス
2
推理小説と言うより哲学書みたいでした。2017/11/05
Kikuichimonji
1
匣の中の失楽を超えるのはいかに難しいか、ということか。




