内容説明
歪んだ館が聳え、たえず地が揺れ、20年前に死んだはずの女性の影がすべてを支配する不思議な島「和音島」。真夏に雪が降りつもった朝、島の主の首なし死体が断崖に建つテラスに発見された。だが殺人者の足跡はない。ラストで登場するメルカトル鮎の一言が齎す畏怖と感動。ミステリに新次元を拓く奇蹟の書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yuna Ioki☆
45
1103-306-3 ☆クローズドフェス☆ メルカトル鮎の正体は「翼ある〜」読んでたから分かってたけど。。。銘探偵な訳がわかったって言うか、「あんた探偵ちゃうやろ」ってツッコミ入れたくなったわ(笑)キュビズムってなんやねんっとか、いろいろと理解できない登場人物ばかりでちょっと疲れたわ(¯―¯٥)某ヘンな物好き氏に「うへぇ」の言葉を捧げます(笑)2015/08/04
とも
24
★★★★★好き嫌いはハッキリするだろう。テンポもよくないし難解。ただ強烈なインパクトで合えば、読み続けてしまうのである。そして誰もいなくなったのオマージュながら、神と偶像、キュービズムを取り混ぜながら、一人ひとり消えていく。本格推理や叙述トリックの様にきれいに収束することもない。が、なんとも引き付けられる作品である。2019/04/07
kate
14
"世界の変化の緒関係を、認識の過程に合わせて、瞬間瞬間の断片を次々に展開し統合していく"まさにキュビースム的な作品。収束するかに見えた物語の最後に最大の疑惑を迎えて終演を迎える。これを読み解くには一つ一つの物事には意味を見出だせなくても、全てを臨み展開していくことでようやく真実に近付いていける。最後に読者に真実を委ねた作品です。2013/10/07
雪紫
12
成程、わからん! いや、殺人事件は解決してるよ(伏線も多かったのにしっかり騙された)。でも謎は大量に残してるし、キュビズムの絵画は字だけで想像するのは困難!ホント麻耶さんの作品はなかなか忘れられないのが多過ぎる。とりあえずミステリ小説好きを語るからには「読め。そして麻耶さんに悩み魅せられるがいい!」と言いたい1品(オリエント急行とそして誰もいなくなったの犯人バレあるので読むのはその後で!)。麻耶さんの中じゃやっぱりこれが一番です!
不見木 叫
12
殺人事件の謎と、主人公2人とある人物の謎と果たしてどちらがメインだったのか、おそらくは後者。奇妙なもやもや感が残る。2013/08/21