内容説明
新菜は外交官の一人娘でお嬢さま女子高生。それが時には砂漠の国や、南米、東欧まで飛びまわる秘密諜報員に早変わりする。それもそのはず、ニーナはシャーロック・ホームズの孫直伝の拳銃の名手で、4カ国語を話すバイリンギャルなのだ。歴史的大事件の真相にユニークに切りこむ胡桃沢サスペンスの最高傑作。
目次
サリーと拳銃
タンゴと拳銃
砂塵と拳銃
駱駝と拳銃
古城と拳銃
勲爵士(ナイト)と拳銃
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
海猫
54
同著者の「可愛い拳銃使い」の続編的な立ち位置の作品。前作は長編だったが今回は6編の連作集。各編違う国が舞台になっていて、それぞれ異国の描写が秀逸で紀行文を読んでいるかのような楽しさ。どの話も1990年頃の世界情勢を反映して懐かしい。大韓航空機爆破事件を扱った短編もあった。ヒロイン新菜は諜報員として世界を飛び回るのに、任務に呼び出されては学校の出席日数を気にする女子高生というギャップが面白い。ある程度のリアリティラインは押さえて派手すぎる活躍はしないので、短編連作の方が女子高生ヒロインが生きてるように思う。2022/08/09