出版社内容情報
【内容紹介】
さいはての地、北海道は壮瞥村へやってきた流れ者、井上昭和は、そこで地殻調査に執念を燃やす1人の男と出会った。“昭和新山”の観測に賭ける男たちの姿を描いた感動の名作『火の山』ほか4編の短編を収録した作品集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あたびー
36
手塚治虫の大人漫画集。つげ忠男の漫画に唐突な尸姦シーンがあり比べてみる気になった「ペーター・ギュルテンの記録」今でもこういう腐った日本のオヤジいるよね「もの憂げな夜」待望の侍になったと思ったら殿の影武者に。ラストは奥方様良くやった！「最上殿始末」ドイツ旅行中に夫は現地の女性と。自分は事故で大怪我。その真相は「ラインの館にて」昭和新山に人生をかけた三松正夫氏の物語にチンピラを絡ませました。「火の山」先生の絵は何度見ても隅々まで見ても凄いなあ。2023/04/04
yk
6
おもしろかったーー。どの話もおもしろかったけど、火の山の三松さんについてはこの前ブラタモリで見てたのもあっておもしろく読めた。2018/07/06
tenso_h(堀川てんそ）
5
火の山：アキカズという粗野で惨めな人物を芯に据え、戦時中に起こった驚異的自然の営みと、翻弄された人々を描く。アキカズの死に思う、誰に垣間見られなくても、確かに笑って・泣いて・死んでいった沢山の人が居る。ペーター・キュルテンの記録：一面温和な日常生活を過ごす実在異常者を扱った物語として短いながら秀逸。もの憂げな夜：今でこそ上品な国民とされているらしい日本人、少し前はどう思われていたか・。最上殿始末：主人公がどれほど可愛そうであろうが因果巡る手塚節真骨頂。ライン館にて：しゃれたとも感じる心理サスペンス。2015/09/20
こっこ
4
★★☆☆☆ キンドル本。一作目と五作目はいわゆる実録物。二作目「物憂げな夜」はヒューマニスト手塚氏の面目躍如の反日漫画。三作目「最上殿始末」は中々面白かったが、次の「ラインの館にて」。こりゃひどい。ハーレクイン･ロマンスか（読んだことないけど）。最終話「火の山」。表題作でもあり力作だが、狂言回し役の井上昭和が余り上手く活かせていない感じがする。ちょっと、がっかり。2016/09/20
まめしば
3
面白い！手塚治虫はすごい！を再認識しました。 2023/07/16
