講談社学術文庫
文化の型

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  • サイズ 文庫判/ページ数 402p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061598812
  • NDC分類 361.5
  • Cコード C0139

出版社内容情報

判型:A6判
頁数:408p
造本・体裁:仮製・薄表紙・カバー

アポロ型文化とディオニュソス型文化。  

三つの未開社会を材に「文化の類型」を探るとともに、個別文化の「世界観」の相対性を捉えんとしたこころみの書。『菊と刀』の著者による文化人類学の古典的名著

内容説明

『菊と刀』で知られる著者の代表作。北アメリカ、メラネシアの三つの未開社会の文化を分析し、それらの性質が秩序や慎しみをもつアポロ型と、陶酔や興奮を伴うディオニソス型であることを明らかにする。併せて、人類学の相対主義的立場、文化の多様性、社会の性格、個人と文化の関係等にも論及。「文化とパーソナリティ」の問題の先駆をなした書である。

目次

第1章 慣習の科学
第2章 文化の多様性
第3章 文化の統一性
第4章 ニュー・メキシコのプエブロ
第5章 ドブ島民
第6章 アメリカ北西海岸地方
第7章 社会の性質
第8章 個人と文化のパターン

著者等紹介

ベネディクト,ルース[ベネディクト,ルース][Benedict,Ruth]
1887~1948。ヴァッサー・コレッジ、コロンビア大学卒。同大講師および助教授、客員教授を歴任。専攻は文化人類学。アン・シングルトンのペンネームで、詩人としての顔も持つ

米山俊直[ヨネヤマトシナオ]
1930~2006。文化人類学者。三重大学農学部卒業。京都大学大学院農学研究科博士課程単位取得退学。京都大学教授、放送大学教授、大手前女子大学学長等を歴任。農学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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roughfractus02

8
主に3地域の調査(太平洋岸北西部のクワキウトル族、ニューメキシコ州のプエブロ族、ニューギニアのドブ文化)から、各共同体の文化をアポロン型とディオニュソス型という2つのパターンとして把握する本書は、異文化接触する人類学者自身の習慣や価値観も含めて、「文化」を共同体が独自に形成した道徳的要請と捉え、師F・ボアズの文化相対主義的態度を理論化したとされる。その際採用された「様式人格」なる考えが共同体の一部しか捉えないという批判も出るが、文化をシステムとして捉え、人類学を未開文化以外にも適用可能にした点は興味深い。2024/03/18

ダージリン

1
「菊と刀」も面白かったが、こちらもなかなか。「菊と刀」では行ったことがない日本の特質を語っていく文化人類学者ならではの想像力に舌を巻いたが、こちらは緻密な文章で対照的な習俗を持つ部族を採り上げていく。偶然と必然の積み重ねで、文化の多様性は生じるのだろうが、一度形成された文化は社会の在り方を規定していく。勿論文化そのものに価値の上下はないのである。2016/11/06

壱萬参仟縁

1
「未開文化は人間のさまざまな制度の多様性を研究できる実験室なのだ」(p.36)。『菊と刀』の著者ならではの名言ではないだろうか? 「文化は(略)非常に不安定なタイプの人間にさえも、存在価値を与え、社会的に役に立つものとすることができる」(p.359)とは、文化のもつ寛大さ、懐の深さをも感じることができる。2012/05/05

MT

0
『菊と刀』で有名なルース・ベネディクトの代表作。個人の行動の裏にはそれぞれが学習された「文化」があって、そしてその「文化の型」は民族ごとに異なるのだという文化とパーソナリティ論はまさに、彼女の師匠ボアズの文化相対主義を理論化したかたち。その後この論は文化という型におとしこんでしまう点などが批判を受けたけれど、その主張の背景にあった人種差別への対抗姿勢、逸脱者・異常者が本当に「異常」なのかという提起は、社会的に評価してもいいと思った。…それにしても、表紙のルースさん美人だよなあ。2017/03/09

遊歩者

0
難解だった。結局、「文化の型」って、何だったのか、今一つ分からなかった?2013/02/28

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