内容説明
明治十一年、二ヵ月かけての一万三千キロのシベリア横断の旅。幕臣・明治高官として活躍した榎本武揚の綴った日記は貴重な資料である。実地の踏査、綿密な観察、古馬車に揺られながらの克明な記述、十九世紀末のシベリアの実情がつぶさに紹介される。本日記に関連する書簡三通と、幕府留学生としてオランダへ向かう船中で綴った「渡蘭日記」も付す。
目次
第1部 シベリア日記
第2部 渡蘭日記
第3部 書簡―ロシア公使時代の家族宛書簡より(妻たつ宛―明治十年一月一日付;姉鈴木らく宛―明治十一年三月二十二日付;妻たつ宛―明治十一年四月五日付)