講談社学術文庫<br> 「世間体」の構造―社会心理史への試み

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講談社学術文庫
「世間体」の構造―社会心理史への試み

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  • サイズ 文庫判/ページ数 280p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061598522
  • NDC分類 361.42
  • Cコード C0136

出版社内容情報

「世間体」を通して日本文化の基層に迫る。世間とは、対面とは何か?はじ―羞恥の文化の意義を問い直し、日本人の行動規範である「世間体」に社会心理学からアプローチする。世間論の嚆矢となった名著。

内容説明

世間に対して体面・体裁をつくろい、恥ずかしくない行動をとろうとする規範意識―それが世間体である。唯一絶対神をもたない日本人は、それを価値規準とし、世間なみを保つことに心を砕いてきた。世間の原義と変遷、また日本人特有の羞恥、微笑が生まれる構造を分析し、世間体を重んじる意味を再考する。世間論の嚆矢となった出色の日本文化論。

目次

序章 「世間体」の発見
第1章 「世間」の意味
第2章 「世間」観の変遷
第3章 「世間」の構造
第4章 「はじ」の社会心理
第5章 「笑い」の機能
第6章 「世間体」の文化再考

著者等紹介

井上忠司[イノウエタダシ]
1939年生まれ。京都大学大学院教育学研究科博士課程修了。社会心理学・生活文化論専攻。京都大学、甲南大学、奈良女子大学を経て、甲南女子大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

オザマチ

5
規範としての宗教との比較や、家長制度に対する考察まで。時代と場所を問わず、色々なものと比較しながら論じています。2014/05/31

HOHHOO

1
「世間」の「世」は〈時間〉であり、「間」は〈空間〉の意であった。世間とは準拠集団であり、さらけ出す身内や、恥のかき捨てで良い赤の他人とは異なる。他人に見られることで自分の行動に影響を与える集団。 状況や環境によって準拠集団は変化する。 社会心理史の領域、社会心理という分野で、個別の人間ではなく社会の心理を相手にすることはこういうことだ2021/09/20

ぽん教授(非実在系)

1
世間論の鏑矢であり、阿部謹也の世間論が教養論と深く結びついた複雑なもにのになっているのに対してこちらは素直である。現在の著者が21世紀の社会を世間論で分析してみたものを読んでみたいところである。2015/08/15

MIRACLE

0
日本における世間体という行動規範の解明を試みた本(1977年刊行)。筆者は、行動規範としての世間体を、肯定的にとらえている。2016/07/01

おっかー

0
「世間」の定義自体は別のところでも読んだので知っていたけども、ムラ制度との関連は初めて知った。曰く、ムラの内在的統制力が弱まった結果、外部からの批判(=世間)を恐れるようになった。これが江戸時代後期からの「旅ブーム」の下地であった、と。 「公恥」、「私恥」、「羞恥」の類型についても興味深かった。ベネディクトの言う「罪/恥の文化」はいかにも欧米主義的だけど、今回の論考の出発点であることは間違いない。 また、全体を通して「まなざし」の問題が説かれているので、N.Nについての例の名著は再読する必要を感じた。2015/07/12

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