出版社内容情報
名句を鏤め、和語と漢語が見事に融け合う名文を日本文学研究の第一人者が英文に訳す。ドナルド・キーン氏の英訳で芭蕉の名文を読む
元禄2年、曾良を伴い、奥羽・北陸の歌枕を訪(おとな)い綴った『おくのほそ道』は日本文学史に燦然と輝く傑作である。簡潔で磨き抜かれた芸術性の高い文章、円熟した境地。私たち誰でもが馴染み親しむ数多くの名句も鏤(ちりば)められ、「わび」「さび」「かるみ」などの詩情が詠出される。日本人の心の文学は英語ではどのように表現されるのか。日本文学に造詣の深いキーン氏の訳で芭蕉の名作を読む。
芭蕉は『おくのほそ道』の創造過程において、自らの芸術のためにはありとあらゆる形で正真正銘の事実に脚色を加えたのである。もう1つの例を挙げてみよう。芭蕉は「路ふみたがえて、石の巻といふ湊に出」と書いたが、別に道に迷った訳ではなく、石巻の金持ちに招待されたのである。また、相当に良い家に泊まっただろうが、この事実をも隠した。芭蕉は現在でも石巻では嫌われているそうである。――<本書「芭蕉における即興と改作」より>
1 百代の過客
2 旅立ち
3 草加
4 室の八島
5 仏五左衛門
6 日光
7 那須
8 黒羽
9 雲巌寺
10 殺生石・遊行柳
11 白河の関
12 須賀川
13 あさか山
14 しのぶの里
15 佐藤庄司が旧跡
16 飯塚
17 笠島
18 武隈
19 宮城野
20 壺の碑
21 末の松山
22 塩竈
23 松島
24 石巻
25 平泉
26 尿前の関
27 尾花沢
28 立石寺
29 最上川
30 羽黒
31 酒田
32 象潟
33 越後路
34 市振
35 那古の浦
36 金沢
37 小松
38 那谷
39 山中
40 全昌寺・汐越の松
41 天竜寺・永平寺
42 等栽
43 敦賀
44 種の浜
45 大垣
芭蕉における即興と改作
THE NARROW ROAD TO OKU
松尾 芭蕉[マツオ バショウ]
著・文・その他
ドナルド・キーン[ドナルド キーン]
翻訳
内容説明
元禄二年、曾良を伴い、奥羽・北陸の歌枕を訪い綴った『おくのほそ道』は日本文学史に燦然と輝く傑作である。簡潔で磨き抜かれた芸術性の高い文章、円熟した境地。私たち誰でもが馴染み親しむ数多くの名句も鏤められ、「わび」「さび」「かるみ」などの詩情が詠出される。日本人の心の文学は英語ではどのように表現されるのか。日本文学に造詣の深いキーン氏の訳で芭蕉の名作を読む。
目次
おくのほそ道(百代の過客;旅立ち;草加;室の八島;仏五左衛門;日光;那須;黒羽;雲巌寺;殺生石・遊行柳 ほか)
芭蕉における即興と改作
著者等紹介
松尾芭蕉[マツオバショウ]
正保元年‐元禄7年(1644‐94)。江戸前期の俳諧師。「わび」「さび」の美意識を創出し、蕉風を樹立
キーン,ドナルド[キーン,ドナルド][Keene,Donald]
1922年ニューヨーク市生まれ。コロンビア大学卒業。コロンビア大学東洋学部名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
BebeCherie
しろっち
YOa suie
mfmf
zhiyang