講談社学術文庫
シャルルマーニュ伝説―中世の騎士ロマンス

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  • サイズ 文庫判/ページ数 368p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061598065
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

八世紀、勃興するサラセン勢力はやがてフランク侵入を企てる。キリスト教世界の守護者として異教徒との戦いに乗り出すシャルルマーニュ。旗下のオルランド(ロラン)、リナルドなど十二勇士の活躍はいかに?魔法使いに翻弄され妖精に助けられながら、名馬・名剣と共に戦う騎士たちの冒険。中世に伝えられた数々の伝説をまとめたブルフィンチの名作。

著者等紹介

市場泰男[イチバヤスオ]
1924年、東京に生まれる。1946年、東大理学部中退(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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syaori

27
『ロランの歌』と『狂えるオルランド』が面白かったので、シャルルマーニュとロラン(オルランド)をはじめとするパラディンたちの活躍を概観したいなと思って手に取りました。アリオストやボイアルド、プルチの書いたものやその他の伝説をまとめたものなので、アリオストを読んだばかりだとどうしても元(『狂える~』)を読んだほうが面白いと思ってしまうのですが、ロランとオリヴィエやリナルドとバヤール(馬)の出会いなどの話もあって楽しかったです。特に、個人的にリナルドが贔屓なので、彼とバヤールの出会いと別れが読めて満足です。2016/07/15

拓也 ◆mOrYeBoQbw

25
中世騎士英雄譚。シャルルマーニュ大帝(カール大帝)とオルランド(ローラン辺境伯)、リナルドと言った12勇士の物語。「ローランの歌」(本編、ロンスヴァルの血戦)がフランス最古の叙事詩で、そこから派生した騎士物語の数々が描かれてます。『ドン・キホーテ』が憧れた騎士伝説であり、十字軍の時に創られたアーサー王伝説の下地にもなった作品群で、叙事詩ではなく散文形式で収められてますが、内容やストーリーの面白さは十分楽しめますね。聖剣デュランダル、精霊(あるいは妖魔)モルガンのネタ元もこれですよ(・ω・)ノシ2016/10/04

拓也 ◆mOrYeBoQbw

21
中世古典。トマス・ブルフィンチの手でイタリア詩人のアリオスト、プルチ、オイアルドらのシャルルマーニュ帝と英雄オルランド(ローラン)、ユアン、オジェの叙事詩を再編した物語。作中で歴史的事実に近いのは「ロンスヴァルの戦い」くらいですが、詩人らがそこに恋愛英雄譚や魔術幻想、怪物討伐などを加え壮大な騎士伝説になりました。ギリシアやローマ神話からの影響を受けつつ、後の『アーサー王伝説』や『ドン・キホーテ』に大きな影響を与えた作品群。『アルハンブラ物語』のキリスト教とイスラムの関係性も非常に参考になりますね。2017/04/24

tieckP(ティークP)

6
昔の神話や伝説のダイジェスト版を書いて人気を博したブルフィンチの、シャルルマーニュ(カール大帝)に関わるエピソードをまとめた本。実際には中世叙事詩そのものではなく、アリオストら後世の3人のイタリア作家による物語のあらすじ本と言っていい。訳者が(中世文学に関して)素人なのだと伝わってくる後書きが微笑ましい。ときどき訳文もユニークだが訳してくれたことに感謝すべきだろう(ただし、後書きにアリオストが訳されていないと書いてあるが、これは講談社学術文庫から復刊した時点では既訳なのだから編集者が改めるべきだった)。2014/09/03

mob

5
・魔法の道具と、それを持つ美女への感情移入に引っ張られて、話があらぬ方向へ飛んでいく。聴衆(読者)は騎士たちに感情移入するので、語り手は景品たる美女の価値を引き揚げて盛り上げ、着地し損なうこともあったのだろう。 ・神の正義は正しく頑張ればどうにか勝つが、魔法は不条理に強い。まだまだ信仰の隙間に異教・異界への畏敬混じりの畏れが大きく残っている。 ・箱庭感ある狭い世界観こそ、当時の精神世界のサイズ感なのだろう。現実の地図より、マッパ・ムンディ(中世のコンパクトで象徴的な地図)を画像検索して心の挿絵にしたい所。2021/08/22

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