内容説明
本草学は、動・植物学、鉱物学等にわたる壮大な学問であり、ほぼ博物学に相当する。中国渡来のこの学問は、江戸期に日本独自の本草学を創成し、小野蘭山、畔田翠山により、その研究は頂点へと達した。明治期、本草学は欧米流学問の奔流に呑み込まれていくが、その成果は生物学、民俗学、方言学等に継承された。学問史に異彩を放つ日本本草学の消長。
目次
第1章 本草学の起源と展開(本草学という科学;『本草綱目』の思想;林羅山と『新刊多識編』 ほか)
第2章 蘭山と本草学の形成(本草学から博物学へ;蘭山の研究・採薬と学統;木内石亭と考古学 ほか)
第3章 畔田翠山の時代と名物学(幕末の本草学と名物学;『古名録』の出版事情;堅香子と古名の考証 ほか)
著者等紹介
杉本つとむ[スギモトツトム]
1927年横浜生まれ。早稲田大学文学部卒業。専攻は言語学・近世文学。早稲田大学名誉教授。文学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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