感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
クリイロエビチャ
2
シンプルなタイトル「歌舞伎の話」。タイトル通り、歌舞伎についてみっちりと語られ、最初から最後までずっと面白かった。「パターン化されている」「演技が過剰」「演出が不自然」など、典型的な歌舞伎批判に対して反論をする形で、独特の演技や化粧、演出、脚本について解説される。漫然と観ていた芝居がストンと腑に落ちる、ちょっとだけわが物にしたような気になる、とても気持ちの良い本だった。ただ、解説されている内容を頭に思い浮かべられない人は、読んでも何もわからないだろうと思う。いわゆる歌舞伎入門みたいな内容ではないです。2013/06/08
ispanoman
2
300年以上の歴史を持つ歌舞伎は時代の先端感覚を取り入れていくことで、継承してきたいくつかの台本を生き生きとさせてきたのだという。60年以上前に発刊された内容は今年の相次いだ大御所の急逝の出来事を歌舞伎の世界の視点で見させてくれた。2013/03/08
壱萬参仟縁
2
「『芸』という言葉は、定義がむずかしいのですが、簡単にいって、演じる者の頭脳の働きや小手先の器用さなどというものよりも、当人の意識しないところに生れる不可測の何ものかが生み出す成果に、すべてが繋(か)けられているとでもいえばいいでしょうか」(p.18)と。常に観客から見られている以上、舞台上の演者は、緊張を強いられると思う。多彩な表情を学ぶのであれば、子どもも歌舞伎に触れる機会は貴重かもしれない、と評者は思った。2012/04/17
いちはじめ
1
歌舞伎評が本業である戸板康二の割と初期の本。文章は読みやすい。2005/01/14
i-miya
0
1950 1915 東京生まれ 慶応 文学部 国文 芸術院賞 歌舞伎に対する考え方は慶応大学で折口信夫先生に教えを受けた 芸能史とその芸能史の背景をなす民俗学によって深い示唆をこうむっている < はじめに > = この本の読者に = こういう知識をもっておれば、面白い = 現代文化における歌舞伎の位置 = = 明治以降の歌舞伎 = = 学生の歌舞伎 = 意義はない = 芸の定義 = 「表現芸術」 芸術には違いないが「芸」なのです 当人の意識しないところに生じる不可測のなにものかが2009/03/05