出版社内容情報
増谷 文雄[マスタニ フミオ]
著・文・その他
内容説明
真の仏法を追い続けた日本曹洞宗の開祖、道元は、現代にも通ずる哲学的思索を展開した思想家であり、豊かな古典的教養をもった稀代の“詩人”でもあった。きらめく言葉、彫琢された美しい文章、漢語混じりの独特の和文で綴られた『正法眼蔵』。本書では、心の問題を追究した「心不可得」、仏教の真義に迫る「仏性」等の巻々を収録する。
目次
山水経
仏祖
嗣書
法華転法華
心不可得
古鏡
看経
仏性
著者等紹介
増谷文雄[マスタニフミオ]
1902年、福岡県生まれ。1925年、東京帝国大学文学部宗教学科卒業。東京大学講師、東京外国語大学教授、大正大学教授、都留文科大学長を歴任。専門は宗教学・仏教学。文学博士。1987年12月6日没
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感想・レビュー
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零水亭
5
たまに、道元禅師の母上(松殿基房娘→ 木曾義仲妾→ 義仲死後は久我通親に再嫁→ 道元禅師を産むが(実父は通親の子、通具とも)、禅師が幼少期に逝去)がどんな女性だったか、気になります。「薄幸の美女」だったとか…「美女」かどうかは主観によると思いますが、「薄幸」であるのは事実でしょう。 もし、義仲がもう少し京都で粘って子供が出来ていたら、命を落とし、道元禅師は生まれていなかったかも知れません。また、『正法眼蔵』にも『正法眼蔵随聞記』にもあまり母上の話は出て来ませんが、禅師の人格形成に多少は影響していた筈です。
無能なガラス屋
2
「道元ひそかに思惟しき、この一段の事、まことに仏祖の冥資にあらざれば見聞なほかたし、辺地の愚人としてなんのさいはひありてか数番これをみる。感涙霑袖。」2025/04/28
sikamo
2
心は心を映す鏡、心なる鏡を心なる鏡に映す時、そこに映るものは何ぞ。2015/02/25
絹ごし豆腐
1
相変わらず難解な「正法眼蔵」。この本が難解たる由縁は道元独特の言葉遣いにあるのではないでしょうか。言葉がそれに対応する現実に追いつかないとでも言うか。道元の体験そのものを理解しない限り、「正法眼蔵」を完全に理解することはできないと思います。