内容説明
人の心から宇宙の果てまで、「知」を限りもなく追究した古代の巨匠たち。哲学の祖タレス、史上最も壮麗な師弟、ソクラテス・プラトン・アリストテレス、ローマ政争の日常に耐えたキケロ、憂鬱なる哲学者皇帝マルクス・アウレリウス。その鋭く深い思考、豊かな人生の知恵、不思議な奇行などを描き、全哲学の源泉、ギリシア・ローマ哲学を一望する。
目次
前編 哲学者の笑い(ギリシア七賢人とタレス;ピュタゴラス;クセノパネス;ヘラクレイトス;パルメニデスと愛弟子ゼノン ほか)
後編 哲学者の憂い(女哲学者ヒッパルキア;クラテスとメトロクレス;エピクロス;ストア派のゼノン;懐疑論者ピュルロン ほか)
著者等紹介
山本光雄[ヤマモトミツオ]
1905年、福岡県生まれ。東京大学文学部哲学科卒業。元東京都立大学教授。1981年没
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感想・レビュー
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kazutox
6
明治生まれのギリシア哲学研究者による本。元々の原稿は戦前にさかのぼり、50年くらい何度も形を変えて出版されてきたらしい。内容は「ギリシア・ローマ奇人変人言行録」といった感じの軽い読み物です。「それぞれの哲学者の思想はどんなものか?」「ギリシア哲学とは?」みたいなことは学べません。これからギリシア哲学に関する新書をいくつか読むつもりなので、ウォーミングアップ用に楽しく読みました。2024/01/20
Jack Amano
2
ギリシア・ローマの哲学者の思想を説いた本というよりは、題材となった哲学者にまつわるエピソードを紹介し、その人となりを明らかし、その哲学の理解を助けることを目的としたような本です。もともと雑誌に連載していたもの。若い学生向けに書かれたもののようです。また、1979年に本書の原本が出版されているということからもその時代性を感じます。「諸君にはXXXしてもらいたい」といったかなり上から目線の文章が時々入るのが気に障るのですが、紹介されているエピソードそのものは面白く参考になります。2022/08/01
カマタ
1
雑学として、また各哲学者の思想について追求する足掛かりとしては楽しめたのかな…という釈然としない読後感。原本が執筆された時代が古いというのも一因ではあろうが、なんとなく読みづらくて「哲学」というものを余計に取っ付きづらくしているようにも感じられた。ギリシア・ローマの通史や政治的背景をある程度知っていたほうが楽しめると思う。哲学者ばかりが名を連ねるなかでは異端だが、”X氏”として紹介されているパウロが布教のためにギリシア哲学を利用したエピソードが個人的には一番印象深かった。2013/11/26
wisewise
0
なんとなく読める。雑学が増える感じ。2012/10/28
真夏みのり
0
雑学めいた話が多く、全体として薄っぺらい印象を受けた。2011/02/20