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講談社学術文庫
日中戦争見聞記―1939年のアジア

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  • サイズ 文庫判/ページ数 317p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061596085
  • NDC分類 292.09
  • Cコード C0121

内容説明

盧溝橋での軍事衝突に始まる日中戦争。それは、軍国日本が東アジアに影を落とす時代の象徴的な事件である。一九三九年、この緊張高まる日本・朝鮮・中国・モンゴルをドイツのジャーナリストが訪れた。彼は、各地で会見した要人の人物像を犀利に語り、過酷な時局を生きる庶民の姿にそれぞれの民族性を洞察する。太平洋戦争前夜の極東を描く貴重な記録。

目次

第1章 日出ずる島国
第2章 朝鮮―もはや朝の静かな国ではない
第3章 「満州国」―アジアの「アメリカ」
第4章 モンゴル―世界帝国のゆりかご
第5章 日本軍占領下の中国
第6章 白人支配のたそがれ
第7章 青天白日の下の中国

著者等紹介

ロス,コリン[ロス,コリン][Ross,Colin]
1885年ウィーン生れ。第一次大戦時、オーストリアの新聞特派員として活躍。1945年没

金森誠也[カナモリシゲナリ]
1927年東京生まれ。東京大学文学部卒。専攻はドイツ文学。静岡大学、日本大学などの教授を歴任

安藤勉[アンドウツトム]
1947年長野県生まれ。上智大学大学院修士課程修了。専攻は日独・日欧文化交流史。日本医科大学助教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あちゃくん

82
ドイツ人記者が、1939年に日本・韓国・満州・中国を回って記したルポルタージュ。直接の戦闘シーンが、本人が重慶で日本軍の空襲を受けた場面しかないので凄惨さは少ないものの、戦争の時代を生きた日本人や中国人の生活が生き生きと伝わってくる。当時の東アジアの状況をヨーロッパ人の視点から見るとどうなのか、とても冷静な筆致で描かれていて、戦争を単なる史実としてではなく、より深掘りした形で知れてよかった。2014/09/03

壱萬弐仟縁

25
1940年初出。 大き目の活字。 日本は裕福なアメリカと比べると、 まったく貧しい(16頁)。 日本人は西欧の文物について 本物と贋物の区別ができない(26頁)。 日本人は中国人とはちがって昔から 好戦的民族(32頁)。 この点は反論がある人が多いだろう。 わたしは日中戦争をした理由が この性質にあるとすれば、 改める必要があると思う。 売り惜しみでは、大衆には在庫商品が 公平に配給される制度がないと 破局に直面する(59頁)。  2014/05/23

勝浩1958

6
万里の長城の建造について数百万人が重労働のために倒れ、石の重さで圧死したことなどは決して重視されなかったと著者は述べ、最後に「そもそも中国で人間の生命が重視されたことがあっただろうか!」と締めくくっている。大戦後に起こった朝鮮戦争、文化大革命、毛沢東の失政による大飢饉、そして天安門事件で一体どれほどの中国人の命が消えていったことであろうか。また、それらの事実の多くは共産党によって後世の人々に知らされていないのだから、唯々唖然としてしまうしかないのだ。2014/07/05

兵衛介

1
ドイツ人記者による、日中戦争下の日本・満州国・モンゴル・中国の旅行記。文学的な文章に鋭い観察力で当時の世相を読み取っておりなかなか面白い。2009/12/23

じろう

0
同盟国ドイツ人の書いたものだから日本びいきのところはあるがイギリス人が書くより第三者じゃないか。客観的に当時の状況を語ってくれる著作は戦後の後付史観より重要かもしれない。ただもうちょっと突っ込んだ分析はほしい。2017/09/17

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