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講談社学術文庫
韓非

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  • サイズ 文庫判/ページ数 283p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061595941
  • NDC分類 124.57
  • Cコード C0110

内容説明

中国戦国時代末期、韓非の祖国韓は強国秦の脅威の前に存亡の危機にあった。そうした状況下、韓非は冷徹な人間観察を通じて社会の積弊を鋭く抉り出し、徹底した法治主義こそが国家の強化・安定を可能にすると論断する。法家思想の大成者と評される韓非の思想の発展とその本質を、古今にわたる日中両国の諸文献を検証しつつ、独自の切り口で読み解く。

目次

1 韓非とその歴史的背景(韓非の生年と政治情況;韓非の思想的成長の過程)
2 韓非の伝記(『史記』の中の韓非伝;新資料から;韓非私見;韓非の政治思想;秦始皇帝と韓非;韓非の最期)
3 韓非の思想(『韓非子』の構成;『韓非子』と『老子』;「解老」篇に見る韓非思想;韓非の思想革命;韓非の根本思想;韓非の法術思想;法と術と勢;韓非思想の近代性;韓非の実定法)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

isao_key

7
『韓非子』のテキストを吟味して本人の記述と思われる部分についての詳説を施し、韓非の思想及び人生について明らかにしようと試みる。底本は「人類の知的遺産」の『韓非』。韓非の立場は法家であり、儒家、墨家が、父子の愛を拡大して仁愛をもって政治を行うにしても、結局は法によって刑罰を科し、臣民を取り締まらなければならない。そこには仁による政治ではなく、法による政治、法治主義を行うほかにはないとの結論が導かれる。ただし、韓王に上書した時は、『荘子』「天下篇」で説く道家に身を置き、道術に奉ずるものと自己を意識していた。2015/08/18

零水亭

2
韓非の思想も『韓非子』の内容もよく分かる良書。ライバル李斯との違いもよく分かりました。流石、貝塚先生、ウマイ。この本から岩波文庫に入るのがオススメと思います。

佐藤丈宗

1
法家思想の大成者という枕詞を外して、「韓非子」ではない「韓非」という人物に迫る。彼のイメージを形成した、一級史料『史記』の記録に対して批判的な立場をとり、出土史料や他の文献史料と対照して定型化した韓非像の再検討を行う。中でも、師匠の荀子やライバル李斯との関係性の部分はかなりダイナミックな説を呈している。底本が四半世紀以上前のもののため現在からすると文献史料の扱い(『戦国策』)がキツい部分もあるが、「法家思想の大成者」と、その対極にある黄老思想から受けた影響は、なるほどと思わせる説得力を持っている。2017/01/19

魯徒

1
めちゃくちゃ面白い。、原文も載ってるので、楽しみが増える。何度読んでも面白いのはこういう本だと思う。飽きない。2012/01/31

よっちゃん

1
数人の仲間と『韓非子』を読んでいる。だから本著を読んだ。 韓非の思想を現代という座標軸にたって歴史的観点で学ぶ。そのための格好の書であるといっても間違いではないだろう。たとえば私の読んだ「孤憤」「説難」篇は韓非が道術によって国家の政治原理を基礎づけた道家思想から実定法による国家統治の技術論へとの思想革命をはっきり示した自画像のようなものだされる。こうしたヒントを得て原文を読み返せば、なるほど!と、七雄割拠の戦国から秦が大帝国を完成する時の流れに密着してこの篇の本質を実感できることになる。 2006/11/23

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