内容説明
孟子は仁義と愛敬を紐帯とする社会を理想としたと、社会思想史的方法でその思想を分析する小島。老子は道の哲学を通し、宇宙の根源を説き、荘子は無用の用を主張し、絶対の境地は木鶏と考え、また、韓非子は天下の太平を望んで法家の学を大成したと、伝統的漢学の立場から老荘と韓非を語る宇野。東西両碩学が中国古代思想の精髄に迫る。
目次
社会思想史上における『孟子』(小島祐馬)(共同社会と利益社会;社会階級観―庶民生活の保障)
老子・荘子と韓非子(宇野哲人)(老子;荘子;韓非子)
著者等紹介
小島祐馬[オジマスケマ]
1881年高知県生まれ。京都大学哲学科卒業。中国哲学史専攻。元京都大学教授。1966年没
宇野哲人[ウノテツト]
1875年熊本県生まれ。東京大学漢学科卒業。中国哲学専攻。元東京大学教授。1974年没
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆうきなかもと
10
特に韓非子をガッツリ読んだ! でも一番心に残ったのは 老子の章の最後。 "『老子』を読むと、実にどうも非常な粋人、苦労人であったろうという気がします。" 宇野哲人の言葉だ。 本書の内容はかなり古く、最近の学説から見ると首をかしげたくなる内容もあるが、比較的平易な内容なので読みやすくて良いと思った。 入門編的な位置づけで読むと良いと思う。2019/05/29
海野藻屑
0
納得した。人が人らしくあるために説いた言葉が逆説的に捉えられ、教義とは一切異なる形で反映する。それを文化の多様性と言うのだと感じた。2017/07/05
クロト
0
大文字版で、講演原稿を元にしたものなので読みやすい。内容が平易かと言われればそうでもないけれど、入門書に相応しい一冊。しかし、少し古いので現在の学説との食い違いが多少あり。2015/01/12
-
- 和書
- 山中湖周辺の民俗