講談社学術文庫
文禄・慶長の役―空虚なる御陣

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  • サイズ 文庫判/ページ数 221p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061595415
  • NDC分類 210.49
  • Cコード C0121

内容説明

秀吉の朝鮮出兵はなぜ行われ、何を残したのか。日朝双方の史料の緻密な読み込みを通して鮮やかに描き出される、戦いにいたる交渉過程と苛烈な戦闘、戦後処理の実状。そして、戦火と蛮行のはてに人々が見出した、友好の懸け橋・朱子学の可能性とは。近現代の日韓関係にまで影を落とす「空虚」な戦争を、東アジア史の視座から問いなおす壮大な試み。

目次

第1章 開戦前夜―秀吉一人の望んだ戦
第2章 文禄の役―押しとどめられた進撃
第3章 慶長の役―耳塚、そして捕虜連行
第4章 陶工と朱子学―戦乱のもたらしたもの
第5章 和平を求めて
終章 歴史観と「伝承」―あとがきにかえて

著者等紹介

上垣外憲一[カミガイトケンイチ]
1948年生まれ。東京大学大学院博士課程修了。専攻は比較文化。国際日本文化研究センター助教授を経て、現在、帝塚山学院大学教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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Ucchy

1
非常に面白かった。明治時代までの日本史上最大の戦争であるにもかかわらず私たちは文禄・慶長の役について知らなすぎるなと思った。日本人は余り知らないが、朝鮮は甚大な被害を受けており、韓国の人が日本に対して複雑な感情を持つのは無理からぬと思う。対馬の宗義智の朝鮮との交渉がすごい。対馬は良田がないので交易しか生きていく手段がなかったからということだが、信じられないような困難にあっても、粘り腰で交渉を図る宗義智は一級の外交家だなと思う。2017/11/09

富士さん

1
再読。朝鮮出兵における勃発の動向から戦後処理までの要旨を手早くまとめてある良著だと思います。本書を読んで際立つのは、著者の言うような日本人の国際感覚の欠如も含めて、人と人は基本的に分かり合える、同じ基準に立っていると何の根拠もなく前提にする精神の底なしに甘えた感覚です。人と人は本質的に分かり合うことはできず、できるのはせいぜい落としどころを探ることくらいであるという前提があれば、逆ギレじみた泥沼の戦いもいくらかマシになったのではないでしょうか。女真人の大成功を思えば、その違いに思い致さずにはおれません。2016/06/03

可兒

1
学術文庫にあるまじき内容の薄さに驚愕。政治屋の演説資料2009/10/25

とったん

0
秀吉の侵攻をあまり知らなかったので読んでみた。序盤には歓迎される面もあったようだが、戦役全体としては益がなく、途方もない殺戮が生じた点で、まさに”空虚なる御陣”と呼ぶに相応しいものだったようだ。朝鮮の人々へ、数百年では消えない恨みを買ったに違いない。2010/12/11

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