内容説明
四千年の悠遠な歴史をもつ中国には脈々として流れている文化と思想がある。たびかさなる戦乱の中から生まれた精神の遺産。孔子・老子・墨子など、古代中国の賢哲の教えや多数の故事名言を自在に援用し、中国文化の特質と中国人の本質を抉り出す。漢学の泰斗が導き示す滋味深い人生指針の数々。
目次
1 中国の人びと
2 巨大なスケール
3 自己に徹する
4 交際のみごとさ
5 天人一如の思想
6 みがきあげられた道徳
7 あこがれの政治
8 乱世に生きる
著者等紹介
諸橋轍次[モロハシテツジ]
1883年(明治16年)新潟県生まれ。東京高等師範学校卒業。専攻、漢学。文学博士。東京高師、東京文理科大学教授を歴任。文化勲章、紫綬褒章、朝日文化賞など種々の栄誉をうけた漢学第一人者。1982年(昭和57年)没
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感想・レビュー
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森下なづな
1
随筆として面白く、中国の歴史や書物への導入としても興味深く読んだ。 前書きの日が1965年のため、現代にも通じるか否かは慎重になったほうが良いだろうし、 著者が親しんだ人たちはおおむね知識層だったろうことも加味して受け取るのがよさそう。2021/04/07
ご〜ちゃん
1
生きる知恵がたくさん詰まった本。中国人のもっている知恵として、「人の歓を尽くさず、人の忠を竭くさず」ということばが紹介されている。どんなに相手の人が、自分に対して好意をもっていてくれるからといって、その好意を徹底的にむさぼり、これに甘んじてはいけない。また、先方がどんなに自分に対して、まごころをもっていてくれたからといって、それに甘えて相手のまごころをいつまでもしゃぶって、しゃぶりつくすようなことをしてはいけない。それがつまり交際を長続きさせる方法だということ。自分も意識していきたい。2015/03/21