講談社学術文庫<br> 夢と夢解釈

講談社学術文庫
夢と夢解釈

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  • サイズ 文庫判/ページ数 241p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061594975
  • NDC分類 146.1
  • Cコード C0111

内容説明

夢解釈の先駆者であり、精神分析に巨大な足跡をしるしたフロイトはこう語る。「夢の解釈は無意識の知識を得るための王道である」と。夢を心の深層を表すものとし、無意識の欲動の中心を性におくその理論は、夢の分析に画期をなす衝撃的なものであった。本邦初訳の二論文「実現した夢の予告」「民間伝承の中の夢」など八篇の小論集で知るフロイト夢理論の概要。

目次

実現した夢の予告(一八九九年)
夢について(一九〇一年)
民間伝承の中の夢(一九一一年)
証拠手段としての夢(一九一三年)
夢の中の童話の材料(一九一三年)
夢とテレパシー(一九二二年)
「デカルトの夢」に関するマキシム・ルロワへのフロイトの手紙(一九二九年)
私とヨーゼフ・ポッパー=リュンコイスとの接触(一九三二年)

著者等紹介

フロイト,ジークムント[フロイト,ジークムント][Freud,Sigmund]
1856~1939。オーストリアの精神科医で、精神分析学の創始者

金森誠也[カナモリシゲナリ]
1927年生まれ。東京大学卒業。広島大学・静岡大学・日本大学等の教授を歴任。日本独学史学会賞受賞(1993年)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ダージリン

5
深層心理学は大分以前に関心を持って僅かばかり読んだことがあるが、読んだのはユング派のものが多く、フロイト本人の著作を読むのは始めて。この本は取っ掛かりとしては実に適したものではないかという印象。「夢とテレパシー」で紹介される女性は特に興味深かった。ちょっと特異な背景を持った人物の、独特な精神性と夢の結びつき方が面白い。解釈の仕方も鮮やか。翻訳が良いのだろうが、端正な文章にも好感。2020/05/30

cracra

3
「きわめて難解で分厚い『夢判断』の大衆的表現、いわばダイジェスト版」なんつってるけど、難しいんだよな。フロイト読んでると、「こじつけんのも、たいがいにしとけや」っと思うことしばしば。2011/02/08

忘備録

2
夢という定量化できず科学的手段による考察が構造上難しい対象に対して、なるべく誠実であろうとするフロイトの態度が印象的であった。その解釈は正直眉唾ものなのではと思うこともあったが、臨床に基づくこと、そして解釈できないものはわからないと言うこと、限界を示すことをしている点は素晴らしい。「夢について」は面白かった。抑圧ー検閲の緩和ー妥協の構図は精神病にも当てはまること、圧縮や移動といつ夢の活動には、たしかに思い当たるものがある。夢については興味がある名で、最新の研究も追ってみたいなと感じた。2020/05/11

ゆうづる

1
無意識の欲動の奥底には性的なものがあるというのは、当時としては画期的な考え方であったことは間違いないけれど、深層心理にあるのはそれだけではないような気がする2016/12/03

greenman

1
フロイト思想の入門として読んでみたが、現代から見た様々な解釈とフロイトが結びつけた精神分析と性の関連性を分ける必要を感じた。一番気になった所は夢が圧縮されて、精神もバラバラになり、そしてそれが新たな表面をつくり上げる移動に直面するというところだ。フロイトはこれを「退行」と読んでこれを時間と空間を結びつけて再び論理的な結合を与えることを精神分析と定義した。そして無意識と意識の中の抑圧ー検閲と緩和ー妥協ができるのは夢だけにとらわれずに他の心の症状の発生の根本となると書いているが、自分はそれも表面だけと感じる。2012/09/05

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