内容説明
古代ゲルマン英雄伝説と華麗で雅やかな中世騎士文化、この二つが見事に融合した『ニーベルンゲンの歌』はドイツ文学の最高傑作であり、一大記念碑でもある。主人公ジーフリトとクリエムヒルトが秘める二重性格、また、結婚と招待、復讐のもつ意味を精細に分析し、民族の歴史と共に語り継がれてきた伝説の系譜にゲルマン文化の変遷を辿り、作品の意義と魅力を語る。
目次
第1章 中世叙事詩としての成立(歌謡集積説と発展段階説;ホイスラーによるブリュンヒルト伝説の変遷 ほか)
第2章 『ニーベルンゲンの歌』前編―ジーフリトの暗殺(クリエムヒルトの「鷹の夢」;ジーフリトの求婚 ほか)
第3章 『ニーベルンゲンの歌』後編―クリエムヒルトの復讐(クリエムヒルトの再婚;ニーベルンゲンの武将ハゲネ ほか)
第4章 悲劇の二重構造(『ニーベルンゲンの歌』における旅と空間;『ニーベルンゲンの歌』における結婚と招待の二重構造 ほか)
第5章 ニーベルンゲン伝説の受容(十六~十八世紀のニーベルンゲン伝説;ドイツ・ロマン派による伝承 ほか)
著者等紹介
石川栄作[イシカワエイサク]
1951年、高知県生まれ。福岡大学人文学部独語学科卒業、九州大学大学院修士課程修了。ドイツ中世文学専攻。現在、徳島大学総合科学部教授。文学博士。日本独文学会、日本ワーグナー協会会員。著書に『「ニーベルンゲンの歌」―構成と内容―』がある。他にニーベルンゲン伝説に関する学術論文、翻訳多数
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感想・レビュー
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Aminadab
Christena
壱萬参仟縁
みよちゃん
misui