内容説明
与謝野晶子・谷崎潤一郎・円地文子ら、個性的な作家が現代語訳を試みた、不朽の物語文学『源氏物語』。本書は、三矢重松・折口信夫の源氏講義に魅せられた鋭敏な言語感覚をもって知られる稀代の国語学者が、生涯をかけて取り組んだ源氏完訳本である。本巻は、光源氏の誕生から元服までを描く「桐壺」から、生涯最愛の女性・紫上と新枕を交わす「葵」までを収録。
目次
桐壺
帚木
空蝉
夕顔
若紫
末摘花
紅葉賀
花宴
葵
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
46
稀代の国語学者が訳したものになります。原文に忠実に訳しているからか、不思議な翻訳になっているような気がしました。桐壺から葵までの物語。光源氏がどういう表情を見せるのかですね。2023/04/28
優希
35
再読です。不思議な日本語には違和感を感じますが、好きな平安文学なので読み応えはありますね。2024/04/25
Mr.deep
2
噂には聞いてましたが思ってた以上に光源氏がゲスでクズだった2020/09/20
Tonex
2
一度は読んでおきたい『源氏物語』に挑戦。源氏物語の現代語訳は、与謝野晶子訳、谷崎潤一郎訳、円地文子訳などいろいろあるが、どれも作家の個性が強すぎて、その人の作品になっているような気がするので、あえて“鋭敏な言語感覚をもって知られる稀代の国語学者”による“原文に即した”翻訳である本書を読んでみた。しかし、これはこれで個性的すぎる不思議な日本語である。また、語句や習俗についての注釈が一切ないので、意味がわからないことが多い。例えば『葵』に出てくる「亥の子の餅」と「子の子の餅」とか、調べないと絶対にわからない。2014/11/21
koishikawa85
1
夕顔の途中まで読んだが、あまりに読みにくいので放棄。原文の香りを残すためなのだろうが、主語がほとんど明示されず、文章の途中で入れ替わることも。いきなり説明なしで新しい登場人物が出てきて???となることも。与謝野源氏を時々参照しながら読んでいたが断念した。2016/12/01