内容説明
天龍寺を開山し、造園の妙を各地に施した、悟達明眼の夢窓国師は、北条家、足利家、後醍醐天皇からも深く帰依され、世に七朝の帝師と仰がれた。在俗の政治家、足利尊氏の弟直義の、信心の基本、大乗の慈悲、坐禅と学問などの問いに答えて、欲心を捨てることの大切さと仏道の要諦を指し示す。無礙自在の禅者の声が、時空を超えて響きわたる。
目次
上巻(今生の福報―附=須達長者の福報;仏法は世法;真の福―附=宝蔵如来の出世;欲心の放下 ほか)
中巻(本分の大智;智慧と本分の大智;仰信と本分の大智;船筏は彼岸への方便 ほか)
下巻(本分の田地;本分の田地の正体;本分の田地の信用;真心―附=南陽の慧忠国師、馮済川と大慧禅師の偈 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
天婦羅★三杯酢
4
知り合いが読んでいるという事で買い求めたのが秋だったが、結局このときまでちゃんと読めずしまいであった。何とか読んだ。「禅問答」というスタイルの始祖だよなぁと。仏教的な”BはAではなく、A'でもない。故にAである”という感じの話に最初は因果律を曲げているってどうよ?という気持ちもあったけど、読み進めていくうちに、ある種の弁証法でもあるのだよなと思い始め、そう考えるといろいろ腑落ちする所も出てきた。2020/12/29
caramelscratch
3
新羅夜半に日頭明らかなり。(p245)2016/10/07
残心
3
足利直義の質問に対して、禅僧・夢窓疎石がとても丁寧に答えた問答集。 他の方も言っているように、あらかじめ仏教や禅の予備知識なしには難しい。 しかし、質問内容も秀逸であり、答えもとても興味深いものが多いと感じた。 今回はざっとななめ読みした程度。 仏教や禅について知識を積んだのち、改めて読んでみたいと思う。2015/11/09
nox
1
普通に生きてたら一生知る由もない事を学べて、中々面白かった。夢窓国師と足利直義の対話を九十三の問答としてまとめたものであるが、仏教の考え方を少しずつ刷り込まれるような感じがする。仏教の最終目的は悟ることであるが、その悟りというものは人々の思い描くものとは違い、〝真実の自己〟に回帰する様なものだという。人間は煩悩により真実の自己を見失っている。この煩悩を消し去り、真実の自己に気付きましょうと、そんな感じの理解をした。仏教は観念的な話が多くて分かりにくいが、例え話のおかげで概要は掴めた。2020/04/08
katashin86
1
夢窓国師と足利直義の間の、禅・仏・信心をめぐる対話。2016/08/16
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