内容説明
新興ローマと三たび死力を尽くして戦い、紀元前146年、歴史の闇に消え去ったカルタゴ。地中海全域に一大商業圏を築いた海洋都市国家は、一体、なぜこれほど栄えたのだろうか。その建国から滅亡までの歴史は?ローマとの関係は?カルタゴの国制や社会、ハンニバルの改革など、650年間、繁栄を謳歌した国の実像を徹底解明する。
目次
1 カルタゴとローマとヌミディア(カルタゴ小史―政治の流れと社会;カルタゴ・ローマ条約(講座「歴史のなかの地中海」から) ほか)
2 カルタゴの国制(カルタゴの国制と支配構造(講座「ハンニバル、一」から)
カルタゴの民主政―古代人の目と新説)
3 ハンニバルをめぐって(カルタゴの民主化とハンニバル;地中海的な視野をもった政治家ハンニバル―カルタゴ・マケドニア条約(講座「ハンニバル、二(A)」から) ほか)
4 カルタゴ寸描(神と人と;人身御供、とくに幼児の犠牲をめぐって ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ピオリーヌ
3
論文、エッセイ、講演から成り立っている構成だが、決して読みにくい事は無い。いわばカルタゴ百科事典といった内容。ハンニバルの地中海的な視野の広さ、、ポエニ戦争敗北後の財政改革を成し遂げた政治家としての側面を知ることができますますハンニバル贔屓に。2020/04/11
Annette1
2
カルタゴに関する文献は海外の翻訳が多いなか、日本人の手による学術書で読みやすい。 カルタゴの通史をなんとなく知っているという人が、カルタゴについてさらに深い理解を得たいと思った時にまず読む本として、おすすめできるのでは。2015/11/30
Shinsuke Mutsukura
0
日本とカルタゴの類似性について昔、言われていましたが、私は類似性を感じませんでした。 カルタゴが軍を持っていたということが最大の特徴で、今の日本は軍もないし、貿易も・・・。 それよりもカルタゴに生まれていたら、私は人身御供にされていたのだなぁと思いました。2015/08/26
かわのふゆき
0
文化、宗教、政治などについて、いわばカルタゴ百科。通商国という点で日本との類似性を先史にみることもできる。2009/10/20