内容説明
歴史学や民俗学の素材に深層心理学的分析を加える「歴史心理学」を武器に、宗教思想の伝統とその影響下に形成されてきた民族文化の伝統を探る。「仏教の民間土着と行基・法然の意義」「キリシタン信仰と真宗信仰の類似性」「カリスマ法然と知性人親鸞」等々、その分析は精緻をきわめ、独創的な視角から日本思想史の底層に流れる集合心理的伝統を剔出。
目次
1 神話から宗教へ(日本文化のかたち―中国文化との比較;密教と日本文化)
2 宗教意識の諸相(日本人の罪のとらえ方;苦から無常と罪へ ほか)
3 中世宗教史をめぐって(鎌倉仏教への思想史的視角;法然と明恵 ほか)
4 近世から近代へ(近世・近代思想史の歴史心理学のために―啓蒙主義・民衆宗教・ナショナリズム;明治青年の自我形成―北村透谷における政治・文学・信仰 ほか)
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- 和書
- 西洋古典学研究 〈65〉