内容説明
「ダルマさん」と呼ばれ、わたくしたちの日常生活にとけこんで久しいダルマ。日本のどこででも、だれにでも親しまれている。本書は、禅の開祖という既成のイメージを離れ、中央アジアから、中国、日本へとダルマのあるいた足あとをたどり、残された数多くの彼の語録や弟子たちのことばから、彼の思想の本質を明らかにする。禅学研究の第一人者が説くダルマのゆたかな思想とその歴史、待望の文庫化。
目次
1 一つのダルマ像(敦煌文書の発見;鈴木大拙と初期禅宗史;二つの民俗)
2 ダルマの伝記(ダルマの来た道;日本に来ていたダルマ;日本達磨宗は何を説いたか ほか)
3 ダルマの思想
4 ダルマと現代(碑文の時代;新しいダルマ像;『達摩多羅禅経』;日本とチベットへの新しい波紋)