内容説明
本書は、レトリックに見る中国人独特の思考とその生き方を探ろうとするものである。古くは「建安七子」の一人で悪口のレトリックの名手・陳琳、杜甫以前の中国最大の詩人と目される曹植から革命家・毛沢東までを取りあげ、彼らの巧みな表現、言い回しとその発想を読み解く。さらに現代日本の文学者のなかで、高橋和巳、武田泰淳ら中国的レトリックを自在に駆使した作家への影響をも明らかにする。
目次
1 政治的レトリックの伝統―中国口舌徒瞥見
2 文学的レトリックの伝統―中国表現者瞥見
3 日本文学への影響―その一断面