内容説明
本書は、今日の一般的な思想状況の展望からはじめて、現代の思想的中心課題ともいうべき近代合理主義批判という問題に焦点をあわせた。20世紀思想のあらゆる可能性が芽生えた19世紀から1920年代までの世紀転換期の思想の動きを主眼に、ドイツの観念論から近代初期の哲学まで遡り、さらに古代ギリシア以来の哲学思想の流れを概観する。現代哲学を学ぶ人に贈る対談形式の必携の哲学ガイド。
目次
序章 予言された時代
第1章 技術化された理性―ニーチェの時代背景
第2章 近代理性―その展開と袋小路
第3章 自然の問題
第4章 現代思想の淵―さまざまの試み
第5章 理性の運命―否定の力としての理性
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
amanon
1
いわゆる対談本というのは、良くも悪くも緩いものになりがちなのだが、本書はかなりかっちりとした内容で、読み応えある。長年の友人同士の対談にも拘わらず、これだけ内容が濃いというのは、やはりシナリオ的なものがあったのでは?などと想像してしまう。とにかくこの一冊で近代から70年代までの哲学史はある程度把握出来るかと思う。ただ、ニーチェに高い評価を下しているのが、個人的にピンとこなかったが。そのうちまたニーチェの著作を読んでみるか?という気にはなったけれど。後、ヘーゲルからマルクスへの流れが面白かった。2015/04/26
りんご飴
0
対談。反哲学のさわりととらえれば読みやすい。2013/12/02
ケン
0
日本史選択なので、知識を補いながら亀のような早さで読みすすめることになった。思想や思考の枠組みを壊し、あやふやなモノに名前や定義を与えていく歴史。たぶん半分も理解できてないので、またいつか勉強してから読み直したい。2021/03/13