内容説明
法華経の教えの根本思想はなにか。法華経の行者という自らの実践をとおしてこれを把握したのは、鎌倉時代の日蓮聖人である。どんな衆生も救わずにはおかないという仏陀の方便の力を説いて法華経にまさる他の経はなく、まさしく諸経の王といわれるゆえんである。わずか七巻二十八作品の経典の教えを、日蓮は「心の財第一なり」といった。本書こそ混迷を極める現代を生きる人々に必読の書。
目次
『法華経』の真髄―「諸経の王」の精神
序品―『法華経』の説く最高の真理
方便品―真実の教えを説く前提
譬喩品―一切衆生を救うための喩え
信解品―菩薩の道への教え
薬草喩品―修学のための教え
授記品―仏性を開かせる教え
化城喩品―精進を持続させる喩え
五百弟子受記品―生得の仏性を開く〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雛子
15
日蓮正宗信者の父と幼いころから親しんできた法華経。その教えは私の生きるひとつの道標であってきたように思う。まだずいぶん幼いころに「お経の意味を知りたい」と教えを請うたとき父が「おまえが意味をわからず経を読んでいても、仏様にはきちんと通じている」と言ったのが記憶に残っていた。それから様々に教学を得ていまこの本を読み、ようやく法華経全体をおおまかに把握できた。この本では経文そのままを読むわけではないので、比較的読みやすいのではないかと思う。少しアレルギー気味なので日蓮聖人から離れて法華経を読みたいときもある…2016/11/11
kk
9
再読。法華経各品の名場面(?)を紹介しながら適宜に解説を加える。一応、全品がうまく要約されている上、注を捲る手間がないのでとても便利で読みやすいです。かつて宮沢賢治を魅了し尽くし、その文学に大きな影響を与えたと言われる法華経ですが、すみません、何がそんなに彼の魂を捉えたのか、kkにはまだよくわかりません。何度このお経に接しても、未だピンとくるものがありません。悟りはまだ遥か遠くの彼方にあるようです。2020/06/21
qwer0987
3
前々から日蓮って少し狂信的だなと思っていたのだけど、この本を読んでその理由を理解した。単純に法華経に忠実であろうとしただけらしい。それはそれとして法華経を各品ごと丁寧に解説しており、きわめて勉強になる。初心者にも法華経の雰囲気は充分に理解できる一冊だった。2014/01/22
しょ~や
2
法華経が何やら凄いお経なのだということが伝わってきた気がする2013/08/29
ゆうへい
1
法華経が本当の真理を説いているものであることを物語っています。各章の重要な部分には細かい解説を交えながら、説明しているのが理解できました。現代語訳も分かりやすく書かれていて、巧みに表現していました。法華経の原文が知りたい人にはオススメでしょう。