内容説明
古代インドに発した東洋的神秘思想は、現実と実在、個我と宇宙の同一性を悟らんとするものであった。仏教という強力な体系的思想となって中国から伝来したこの神秘思想に対して、日本および日本人という条件はいかに働いたか。天台・日蓮・禅・真言の仏教四大潮流における密教的世界観が、日本人の人間観・自然観にどのような影響を与えてきたかを具体的に考察する。密教哲学の第一人者による好著。
目次
第１部 日本の精神的風土（日本の自然・日本人の自然観；日本仏教の自然観）
第２部 日本の宗教神秘主義（日本人の精神構造―その日常活動を通じて；日本の宗教神秘主義；日本の密教）
日本の神秘思想の特色
感想・レビュー
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mfmf
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簡単に要約だけ。 「日本人はかつて楽天的な国民であったものが、仏教を知って以来厭世的になった」わけではなく、楽天的であったからこそ仏教は受け容れられた。それは仏教が「万人の成仏」を約束した（=人間肯定）点にある。としたうえで、自然に対して貪婪なまでに働きかけるオカルティックな神秘主義は生じにくく、日本人の「宥和的神秘主義」「情緒的神秘主義」が仏教によって発展した、としている。2022/09/20
