内容説明
「時調」は朝鮮個有の定型詩。高麗王朝末期の12、3世紀に生まれ、今日まで八百年の歳月を受けつがれてきた。本書で著者は、詩の背後に秘められた数奇な人物群像を語りつつ、民族のアイデンティティを明確に描き出す。民族の詩歌を知ることが、とりもなおさずその国民性を知り魂を理解する捷路であるなら、本書は、近くて遠い隣国の人々の価値観・人生観を理解するうえでの最適の書である。
目次
1 「時調」との出会い
2 黄真伊の生涯と「時調」
3 高麗末の懐古歌
4 太平烟月のうた
5 二君に仕えずの思想
6 党争と青鶴洞
7 「壬辰」「丙子」の時代
8 王族と妓女のうた
9 鄭〓の行動と文学
10 尹善道―闘いと詩
11 残照の詩人たち
12 現代の継承者たち



