講談社学術文庫<br> レオナルド・ダ・ヴィンチ―芸術と生涯

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講談社学術文庫
レオナルド・ダ・ヴィンチ―芸術と生涯

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  • サイズ 文庫判/ページ数 426p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784061590137
  • NDC分類 702.37
  • Cコード C0171

内容説明

万能の天才、ルネサンスの巨匠。思いつく最高の讃辞とともにその生涯と芸術について余す所なく研究し尽くされたかに見えたレオナルド。人類史に聳える至高の作品群を全く新しい眼で見つめ直し、絵の中に秘められていた驚くべき暗号を解読、レオナルド芸術の最大の謎を明らかにする。〈二重人物像〉とは何か。〈モナリザ〉とは誰か。イタリア語に訳され欧米でも大きな反響を呼んだ東洋の俊秀の画期的論考。

目次

序 何故書くのか
第1章 「自然の子」
第2章 「メディチが私をつくった」
第3章 未完成の画家
第4章 ミラノの魅惑
第5章 画家は「神」となる
第6章 ミラノ、ヴェネツィア、そしてフィレンツェ
第7章 女性像と男性像
第8章 果たしてモナ・リザか
第9章 政治と芸術
第10章 大洪水と闇
第11章 晩年のレオナルド

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

H2A

23
もう40年近く前に発表されたというが、レオナルド・ダ・ヴィンチについて書かれた評伝。彼の生涯と、作品、デッサン、手記、それに同時代の証言に依拠しながら、著者の見解もしっかり盛り込まれていて手応えある一冊。アカデミックな研究者からどういう評価なのかは知らないが、著者は自分の目で見る必要を教師として常に主張していたと思う。晩年の大家も、右手が動かず創作力も枯渇していたとにべもない評価を下すが、氏がダヴィンチの作品の成立過程に加える推論は妥当なものと感じた。好著。2017/03/12

やま

13
レオナルド・ダ・ビンチのイメージを変えてくれる一冊。モナリザ、岩窟の聖母子、洗礼者ヨハネなどの絵画作品についての考察、よく言われている科学者としてのレオナルドについての反論というか考察、建築や彫刻の話など今まで漠然と思っていた印象が随分変わってしまった。◇とても丁寧に様々な文献を元に記載されている。さすが研究者だと思う。レオナルドが習作ばかりで完成品が少ない。アイディアは豊かな人だったのだろう。そのアイディアを実現ができる弟子などがいたら、もっといろんな完成品が見られたかもと思う。2024/08/16

袖崎いたる

6
序文がなかなかに熱い。書くことをめぐる現に欠いてしまっている己れ自身。個であるための自由を賭して生きるということを、書くという業のうちに洞見する姿勢の表明。思想もない、観念もない、宗教もない。そんな自分と向き合う手立てとして、ダヴィンチを書く。かっこいい。2022/06/19

Fumoh

4
入門編として、ザーッと読むなら価値はあると思いますが、詳しく内容を検討してはいけないたちの書だと思いました。同氏のミケランジェロ論でも同様に思いましたが、著者の想像をまるで事実であるかのように断じる箇所が多い。具体的資料を提示することなく自身の想像を前提として話を進めるから、空想家であり、理想家であり、作家なんだと思います。もちろん先述した通り、初学者にとってはレオナルドのプロフィールの勉強にもなるだろうし、画の見どころの把握とか、ルネサンスの文脈の一定の理解には繋がるだろうと思います。しかし、それ以上を2025/05/05

午後

3
レオナルドの生涯を追いながら彼の手記や膨大な手稿を手がかりに、作品の成立経緯や秘められた意味を解き明かそうとする野心的な試み。ルネサンスの万能人として過度に神格化することを慎み、彼の業績を冷静に評価しようとする誠実さがある。手記に描かれたことだけではなく、そこに書かれなかったこと─神や女性、自身の作品や生活について─に関する考察も面白い。ただ身振りに関する図像学的な解釈については、その文脈や伝統的な意味を踏まえておらず、若干粗が目立つように感じた。参考文献が充実しているのが嬉しい。2021/09/30

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