内容説明
歌を歌として読むのに、作者の名前や背景などは第一義のことではない。遣われた詞のどこが、なぜ、面白いかというだけで充分である…。有心、幽玄の新古今時代を代表する天才的歌人・定家。古来、難解とされてきたその厖大な和歌から80首を選び、注釈がおのずと伝記を包摂する独自の方法で義解をほどこす。歌をその制作現場に戻して、1つ1つの言葉とその発想を分析し、味読する白眉の定家論。
目次
初学百首
殷富門院大輔百首
閑居百首
重奉和早卒百首
良経第雪十首
一字百首
一句百首
花月百首
十題百首
無常歌一首
六百番歌合
韻歌百二十八首
仁和寺宮五十首
後鳥羽院初度百首
千五百番歌合〔ほか〕