内容説明
極度の専門化・細分化を宿痾とする現代の学問。しかし本書は、対象を極限まで切り刻むばかりでなく、関連分野を含めた全体的なパースペクティブの中に位置づけることを重視する。人間精神によって産み出されたもの=認識されたものの認識こそ学問の本領とする文献学の方法を提示し、「専門学科においては一流、他の学問領域でも二流」であることを求める厳しさの中に学問の豊かな可能性を拓こうと志す。
目次
中島文雄『英語学とは何か』―解題にかえての回想(渡部昇一)
「語学の意義」
A・ベックのフィロロギー
フィロロギーと歴史(ウーゼナー;歴史と解釈学)
フィロロギーの領域問題(エルツェのイギリス・フィロロギー;ケルティング;パウルのゲルマン・フィロロギー;グレーバー;言語と文学のフィロロギー;言語のフィロロギー;歴史の主体としての国民;補助科学の問題)
言語学とフィロロギー(ストルム、フィーエトルと音声学;クルティウス;ブルークマン;パウルの言語史原理論;言語学とフィロロギー)
英語学の任務
二十世紀の言語学―私の歩んだ道
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- 和書
- マンモスの抜け殻