内容説明
蕪村は、正岡子規によって発掘されて芭蕉以上の評価を受け、萩原朔太郎によりその浪漫的な郷愁の詩人としての一面が強調された。本書では在来の安易な解釈を斥けて、一字一音一句をもゆるがせにしない批評眼で、画人蕪村・俳人蕪村が渾然一体となる詩心の神髄を解明する。「春風馬堤曲」等の俳体詩や発句の数々に溢れる清新なイメージと幻想を追って発想の契機、創作心理にまで迫る鑑賞と評論の書。
目次
「澱河歌」の周辺
「春風馬堤曲」新釈
「北寿老仙をいたむ」のわかりにくさ
鑑賞篇
文人の句
竹渓訪隠
画俳
碑にほとりせん
季題考
真贋
蕪村との出会
蕪村余瀝
蕪村小伝(年譜)
-
- 洋書
- Masque