内容説明
日本の農山漁村は昔から貧しかった。そして古い時代からこの貧の問題の根本的な追究が欠けていたのではないか、と著者はいう。本書は、とくに戦中・戦後における嫁の座、私有財産、出稼ぎ、村の民主化、村里の教育、民話の伝承などを通して、その貧しい生活を克服するため、あらゆる工夫を試みながら精いっぱいに生きる庶民の姿を多角的に捉えたものである。庶民の内側からの目覚めを克明に記録した貴重な庶民の生活史といえよう。
目次
1 庶民のねがい
2 貧しき人びと(王朝の庶民;私有財産;人口問題;出稼ぎ)
3 変わりゆく村(土地所有意識;村の民主化)
4 山村に生きる
5 村里の教育(伝承の位置;シツケとあそび)
6 民話と伝承者(生活規範としての民話;伝承者の系譜)
7 底辺の神々
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
i-miya
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2012.10.15(つづき)宮本常一著。 2012.10.06 『風土記日本』 村人の大半が、つつましく、健全に暮らしている。 昔から戦争嫌い、仕事の虫のように働き、貧乏をしたが、生き抜く力を持ち、隣人を信じていた。 人の邪魔をしない人々、隣の不幸を喜ぶような人もいないでもなかったが、理由がないでもなかった。 (はじめに) 私は、大変なおしゃべりである。 2012/10/15
i-miya
34
2012.10.19(つづき)宮本常一著。 2012.10.17 農民に影響を与える大きな社会変動=関ヶ原の戦い。毛利氏が西軍に属し、敗れる。 芸備の地は、幕府におさめられている。 毛利氏は、防長二州に移る。 ◎祭りと宗教。 日本の神社は、その初め、氏神的性格のもの、多い(皇室における伊勢) 宮座(関西)。 頭屋をつとめる。 平安京が作られる→豪族たち、京都へ移住。 氏の上へ祀る神は、祭りを行う人を失う。 そこに残った人に任かされる。 2012/10/19
i-miya
32
2012.11.01(つづき)宮本常一著。 2012.10.31 鎌倉時代から室町時代、武家の政治の時代、戦をこととする日々。 男の権力が著しく伸びる、女の地位に変化。 男が女のもとへかよう→女が男の家へも手伝いに行く。 これはヨメの始まり。 ユメという言葉がなまった。 南方、鹿児島の、ユウメという言葉が残っている。 ユウメとは、ユイ(結)をする女。 ユイとかヨイとかは、交換労働のこと。 手間返しである。 屋根を葺く。田植えをする。 2012/11/01
i-miya
31
2012.10.11(つづき)宮本常一著。 2012.10.10 一.庶民のねがい。 ◎戦争の反省。 大東亜戦の起こったとき、私は深いかなしみに閉ざされた。 敗戦の日のいたましい姿が目先にちらついて、ならなかった。 勝てるとは思わなかった。 なんらかの意味で、民族解放の戦争になるだろう、とのかすかな希望はもてた。 S19、民俗採集の旅にでられなくなり、奈良の田舎の中学校に勤めた。 2012/10/11
i-miya
29
2012.11.10(つづき)宮本常一著。 2012.10.24 サルを人間の生贄にささげる話(『今昔物語』) 美作、飛騨口。 ◎昔も今も。 瀬川清子さん、『しきたりの中の女』 ◎嫁の座、婿入り。 生活改善運動で、いつも話題に上る一つの結婚改善がある。 (1)家本位、親本位の結婚→本人の意思。 (2)結婚の華美、奈良の十津川、3.40年前話決まると仲人が女を迎えに行く。 こざっぱりした女の着物。 わずかな包み、婿の家。 2012/11/10
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