内容説明
数多くの仏教のお経のなかで、『般若心経』ほど人々に親しまれているものはない。わずか262字のこのお経のなかに、無限の真理と哲学があふれているからである。透明な自己になりきるとき、心で読むとき、はじめて心経はその真の意味を表わしてくれるのだ。本書は、不安の時代に生き、心のよりどころを求める現代人のために、単に『般若心経』の字句の解釈に捉われることなく、そのこころを明らかにしようと試みたものである。
感想・レビュー
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加納恭史
20
さて、鎌田茂雄著の「観音経講話」がなかなか興味深かったので、同じ著者の「般若心経講話」も良い解説があるかな。般若心経の冒頭は観自在音で始まる。観自在菩薩は観世音菩薩とも言われる。観自在とは一切衆生の願いを自由自在に救済してくれるとの意味。観世音とは衆生の声を直ちに聞いてくれるとの意味。観音様の容姿は美しい。その端麗な容姿をじっと見ているだけで心の中が洗われる気がする。どんな人生の苦難にもたえうる勇猛心をそなえながら、あらゆる人々を救って下さる慈愛のあふれた姿が観音様の特徴である。2024/01/12
大先生
10
般若心経は、「摩訶般若波羅蜜多心経」。たった262字のお経でありながら、仏教の無限の真理と哲学が凝縮されているそうです。心経とは自分自身であり、「心経の本当のすがたは、すべての言葉を離れ、相もなく、手もつけられず、思惟も及ばないところにある」。毎朝晩読誦(どくじゅ)することが大切であり、その際、自己と心経とが不二一体となることが肝要。時間がなければ、最後の呪文だけでも唱えるのがよい。ギャテイ、ギャテイ、ハラギャテイ、ハラソウギャテイ、ボウジソワカ。スエデンボルグに言及されているのが驚きでした。2024/11/06
moonanddai
6
有名な「色即是空」とは単に諸行無常というだけではなく、「空即是色」と対になり、「色(現実)もまた踏まえながら…」でなければならないということなのでしょう…、よく分かりませんが…。ともあれ仏教は、と言うと風呂敷を広げすぎるので、般若心経は(言い方が難しいのですが)哲学と言うより宗教なのだと感じました。三昧…。2018/05/05
へんかんへん
4
紙にペンに感謝するのを施餓鬼会云々やっぱその発想はあったかと2017/11/30
samandabadra
3
たった262字のお経ですが、非常に深い哲学的なメッセージが含まれている そんな般若心経の解説本で今年を締めることにしました。2012/12/31