内容説明
「ホトトギス」を源流とする「雲母」に育った龍太は、父蛇笏の写実的俳句を継ぎながら、その作品は近代俳句の正嫡ともいうべく、勢いがよく魅力的で、しかも広がりと深さを持つ。本書は、「雲母」の例会の実作指導のなかから選りすぐった俳論・俳話で、いずれも文学の根源に触れるおもしろさがあり、読者は居ながらにして句会の現場に立ち会うような、しかもその語り口から著者の人柄にも触れることができる、好個の入門書といえよう。
目次
序 今のこころ姿を
1 実作の要点
2 内容と表現
3 秀句の条件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おおにし
14
世の中にはここまで細かな指導がはいる句会が存在するのですね。句会初心者の私には先生の語っていることの半分も理解できません。もっと俳句を学んでから再読することにします。2023/10/23
積読0415
1
不思議な本だ。タイトルから「俳句のいろは」を教えるものと思いきや、そんなことはなく生徒たちが提出した俳句を、先生があれこれ指摘するというもの。それはそれで指導なのではないか?と一見思うのだが、よくよく読むと「それ単に先生の好みじゃね?」と思える点も。先生役の筆者は山梨の代表的俳人で、集まるお弟子さんも有名な人が多い。そこに33回お邪魔した、そんな感じ。子供の頃通わされた書道教室に近所の50才位のおばちゃんが生徒として通っていたけど、その人と先生の間でのやり取りを思い起こさせる不思議な本です。2019/10/12