感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てれまこし
2
近代化が西洋化と異なるかぎり、日本型近代化というのもありうる。それがありうるかぎり、近代化は日本であることを止めること意味しない。でも、そのためにはヨーロッパに限られない普遍的な近代の意味を捜して、その種を日本の内側に見出さないとならない。その最初の試みの一つが本書なんだが、肝心の「近代」の普遍化や「日本」のどこに残すべき価値があるかという点に関してははなはだ頼りない。卑屈になっている日本人を励ますのが先決だっただろうが、そちらばかりが引き継がれて、自分の頭をなでなでするのが日本人論の役割になっちまった。2018/07/03