講談社学術文庫<br> 講孟箚記 〈下〉

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講談社学術文庫
講孟箚記 〈下〉

  • 吉田松陰/近藤啓吾
  • 価格 ¥2,233(本体¥2,030)
  • 講談社(1980/10発売)
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  • サイズ 文庫判/ページ数 646p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061584433
  • NDC分類 123.84
  • Cコード C0110

出版社内容情報

【内容紹介】
「吾(われ)幽囚の罪人と雖(いえ)ども、悪んぞ国家の衰乱、夷狄(いてき)の猖獗(しょうけつ)を度外に置くを忍びんや」、国家の多難を前に、国の運命を担う責務から逃避する道はない。獄中にあれば獄中の人として、これに参ずる道を発見せずんば止まぬ21回猛士吉田松陰は、「余が一室に幽囚して、広大を致す如きは、学の力のみ」と、遂に『孟子』の全講を終えた。行動力の人であると同時に天性の教育家だった彼のこの情熱が『箚記』の紙表に溢れて、人の心を打つ。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Kawai Hideki

79
上巻は野山獄での囚人に対する孟子の講義。下巻は特恩で実家に戻ってから書いた講義の続き。特恩とはいえ謹慎中の身なので庭にも出られない。講義の相手は家族や近親者のみ。しかし文章には温もりと溌剌とした空気がみなぎっている。小さな部屋に起居し、掃除と読書のみの毎日。いわば究極の引きこもり生活だが、日本のあり方、外国への対抗策、長州藩の取るべき役割、後進への教育方針、獄での囚人達の待遇改善など、全力で思いのたけを綴る。特に獄中で師・佐久間象山と「玉を磨くこと」になぞらえて共に激しい試練を乗り越えるくだりは印象的。2016/07/26

かわうそ

44
『古より大業を成すの人、恬退緩静ならざるはなし。』P184 『大抵小人の恥づる所は外見なり。君子の恥づる所は内実なり。』 P297 志を立て道のために生きるのならば外見に関して恥じる必要は全くない。当たり前に内実の方が大切なんですね。 だから、松蔭は名誉のための学問を評価していません。そんなものは学問において不必要なもので学問はあくまでも道のために自らの修養のためです。 道のために学問を修める。その後に名誉が付随してくるだけであり、それは副産物に過ぎません。 かと言って名誉を軽んじる必要は無いわけですが。2023/03/10

壱萬弐仟縁

20
読書して道理を明らかにすることばかりで、行動しなくては、的の大小遠近を知っていながら、射る練習をしていないもので、矢は的まで届かない。 行いが大切だ(14頁~)。そりゃそうだ。頭でっかちではいかんね。松陰先生は読書好きではあるが、学者の欠点として、自分と書物が無関係といって、我がことば、我が行いとしない傾向にあることを戒めている(43頁)。心したい。当事者意識をもとう。読書は眼目を把握することが大切で、雑博であるのみならば、書物の本意はわからなくなる(86頁)。自戒すべし。  2014/10/21

qwerty1234

3
下巻は松陰が牢獄から出てからの講義になります。なんとなくですが、牢獄にいた上巻の方が心を打ちます。2011/12/25

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