出版社内容情報
【内容紹介】
暑くなって体温が上がりそうになると汗をかく。小さな傷は放っておいても自然に治ってしまう。このようにして、生物のからだはつねに一定の状態を保っている。本書は、生物体のもつ自己調節機能をひとつのシステムとして捉え、ホメオステーシス(生体における恒常性維持)という概念をはじめて提唱した書である。生命体を新しい角度から捉えたこの概念は、生物学はもちろん、心理学・社会学など現代思考全般に大きな影響を与えている。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しょーた
44
「座右の古典」の紹介本。80年前に書かれたものとは思えない程、人間の生体の仕組みを、緻密かつ広範に渡ってまとめている。著者の経験と当時の限られた情報をもとに、【恒常性維持(ホメオスタシス)】の概念を樹立したことは、称賛に値する。この概念は、からだが協同し合い、常に安定した状態へと保つ働きのことである。機械の自動制御に応用された。具体的な実験などは、理解し難いかもしれないが、はじめに&16章だけでも、読む価値がある。自分を維持するために、常にからだの各部位が機能していることに改めて感謝の気持ちを抱いた。2014/04/14
シュラフ
27
からだの仕組みを勉強するなんて高校時代以来である。あらためて勉強してみると、からだの調整機能(本書ではホメオスタシス(生体における恒常性維持)と呼んでいる)というのは本当によくできているものだと感嘆させられる。そんな大切なからだのことを、社会人になってからは、暴飲暴食とか徹夜あそびとかで散々いじめてきたのか、いまさらながら反省する。会社の健康診断なんかで安心していては駄目だ。自分で金を払わないのでありがたみがない。自分でからだのことを勉強したり、金を払って検診してみて、自分のからだのことを大切にしよう。2017/10/29
オカピー
5
人間の体の仕組みとは、不思議なものと改めて思いました。「ホメオステーシス」恒常性維持の仕組みが、人間には自然に備わっており、生きながらえるように体の状態を一定に保てるようになっている。文明の機器や医学に頼りすぎると、本来の生物としての生きる力が弱まって行くのかもしれない。身近な例でいえば、暑いからと言って冷房の利く部屋ばかりにいたら、体の温度調整する機能も弱まってしまうのかもしれない。調子が悪いからと医者ばかり通い、薬を飲み続けるのも、薬に依存する体質になってしまうのかも。バランスの問題でしょうけど。2024/10/28
Hirotaka Nishimiya
1
人間やその他動物の身体に備わる恒常性、ホメオスタシスを様々な実験結果を基に提唱する。身体自体が細胞というとても脆いもので出来ているにもかかわらず、例えば飢えや出血などの緊急事態になってもすぐに死に至らずに済むのに数多くの体内でのバランスを取ろうとする機構が自動的に作用している。 システム論の原点としても面白かったし、こういった知識を持っておくと疑似科学的に惑わされることは防げるのではないかと思う。 ただし(古い本だからか)実験でネコがたくさんかわいそうな目に遭っていてしょんぼりした(´・ω・`)2017/08/08
naohumi
1
体の不思議な働きについてを考察している古典ってイメージだった。体の恒常性、ホメオステーシスという概念を提唱したのが著者だという。生命の持つ不思議な力や現象から心理的な部分についてまでを深く考察しているが、そういった体の能力から社会的に与える影響についてまでを述べてある面白くも不思議な一冊。2012/11/08
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