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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nobody
19
人間は内側の動力(意志・自由)により動く(=生きる)べきか、外側の動力(義務・形式)により生かされるべきか。どちらがより生産的か。前者即ち自由の力を教えてくれる本。だが自由による生産は計画が立たず無駄が出るから、システムとしては合わない。「不思議なことだが、まあとにかく研究しろと、なにもいわずに月給だけをいただいてみると、別に何時から何時まで出勤しろといわれるわけでもないのに、良心が黙っていられなくなるのである。勤務評定などもちろんないから、朝ねぼうも自由だが、うちへ帰って晩めしをたべたあと、また出勤して2020/05/15
kochi
11
古本よあけさんから和田岬一箱で購入。表題作は恩師の仁科や、同僚の湯川について。「滞独日記」はハイゼンベルグのもとで留学していた時期の日記抄。エーレンフェストの教科書を読んだとか、同じ留学生のNやインド学生ディッタの悲劇と、戦争前のドイツの雰囲気、領土を侵されたチェコ国民への同情、核分裂の発見への言及などが綴られる。戦後の理研の活動なども興味を引かれる。一番インパクトあったのは、オイラーの公式に言及した「数学がわかると…」。この公式の本質が、複素数による冪の定義であることに気づいたとあり、そうなのか!。2024/11/29
yurikos
0
ハイゼンベルクの「部分と全体」とは全然違って面白い。2017/10/29
ダージリン
0
個人的には朝永振一郎さんの文章は湯川さんよりも好きである。ドイツ時代の多いに憂いに満ちた日記は当時の心情を良く伝えてくれる。ナチスドイツのズデーデン地方併合が話題に出てきたり、当時の世情にも大いに興味がそそられた。それにしても、当時の理研のような科学者の楽園は現代にも必要であろう。朝永さんとまでは行かなくとも、優秀な科学者が育つ環境をつくることは日本の喫緊の課題だ。2012/11/30
ステビア
0
おもに理研時代とドイツ時代。理研いいなあ。2012/06/10