出版社内容情報
三浦 つとむ[ミウラ ツトム]
著・文・その他
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- 評価
本屋のカガヤの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
無識者
14
学校教育での文法は不十分なところがあるにもかかわらず、何十年と教科書の内容は変わってないのだろうと思う。不十分であるという前提があればいいのだが、不十分であるという前提どころか、特に古文等では覚えれば点数をとれてしまうような試験を課してしまっている。特に学校教育ではこの本で言う「主体語」についての分析は弱い気がする。「が」と「は」についての分析に関しては、教科書では大野晋も三上彰も紹介されないので、結局それが踏まえられてるかどうかというのは先生次第になってしまっている。2019/03/17
無識者
14
高校の時の国語の先生が学校で教える文法は橋下式文法で他の流派があるというような話をしていた。それ以来他の文法体型はどんなものか興味を持った。この本はその国語の先生が最も影響を受けた日本語文法の書と言っていた。おそらくベースは時枝式文法だが、独自に改良を加えゆにーくなものになっている。2016/02/07
isao_key
9
著者はまえがきで、科学的な言語学の初歩を述べながら日本語について説明する必要があるが、そのような本がどこにもないため、自分自身で作ろうと思った、とある。言語学全般について説明をした上で、日本語の特徴や構造について述べている。厚い本ではないが、内容も濃く、読み手も相応の知識が求められる。重要箇所はゴシックになっている。「日本語には、夫と妻が平等に、しかも尊敬と愛情をこめてよび合うのにふさわしいことばが、見当たらない。それで、話し手が追体験を考え、時にはしつけの目的で自分をお父さん、妻をお母さんと呼ぶようだ。2015/08/23
mstr_kk
7
吉本隆明の『言語にとって美とはなにか』の理解のために読んだ。優しい文章だが、内容は易しくないので、特に第一部はけっこう気をつけて読まないと置いていかれる。<主体的表現>と<客体的表現>は吉本の<自己表出>と<指示表出>の元ネタだろうし、終盤では<転換>概念も先取られている。ためになる本。ただ、言語を主体による表現として捉える三浦(吉本も)のスタンスは、エクリチュールやテクストの理論と真逆で、実際三浦は構造主義を罵倒する。ラカンやフーコーって、さすがにそんな単純なバカじゃないと思うんだけど……。2013/05/18
ヤギ郎
5
日本語という「言語」に着目した一冊。認識・文法・社会の側面から迫る。2022/06/03