出版社内容情報
日本列島はいつ・どのように誕生し、現在の姿になったのか? 地質学と地球年代学が明かすダイナミックな歴史をカラーイラストで解説日本列島はいつ・どのように誕生し、現在の姿になったのか? 地質学と地球年代学が明かすダイナミックな歴史をカラーイラストで解説
堤 之恭[ツツミ ユキヤス]
著・文・その他
内容説明
5億年前の産声が聞こえる。プレートの狭間で何が起きた?かつては大陸の一部だった?なぜ地震や火山噴火が多い?将来ハワイとぶつかる?
目次
現在の日本列島
第1部 プレートテクトニクスと付加体の形成(プレートテクトニクス;日本列島をつくる付加体;歴史の目印・年代を測る)
第2部 「日本列島形成史」の形成史(地質学の始まり;地向斜と造山運動;付加体地質学、そしてプレート造山論へ)
第3部 日本列島の形成史(産声~幼少期;「大きな挫折」と成長期;独立―日本海形成;島弧の衝突;フォッサマグナ;日本列島の大構造;日本列島の基盤―各論)
著者等紹介
堤之恭[ツツミユキヤス]
博士(理学)。国立科学博物館地学研究部研究主幹。1998年、広島大学理学部地球惑星システム学科卒業。2003年、広島大学大学院理学研究科地球惑星システム学専攻博士後期課程修了。2003年より、国立科学博物館地学研究部研究員。2013年より現職。2009年、日本鉱物科学会論文賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まーくん
83
「日本列島はいかにつくられたのか」をプレートテクトニクスを使って説明。海洋プレートが沈み込む際に、その上の堆積物などが大陸側にくっついたもの、即ち”付加体”が骨組みを形成、その付加体からなる各地質体が背後に日本海を開きながら大陸から離れていったとし、それに合わせて中央構造線やフォッサマグナの意味も解釈。基本的な形成原理がわかり易く説明されている。ただ、現在見られる地層や構造帯と関係づけた最終的な”列島の出来上がり”については、著者も更に議論や検証が必要と述べているが、イマイチ良く理解できなかったのは残念。2020/08/30
Koning
22
中はIllustratorで綺麗に仕上げられたカラーイラスト満載なのに表紙が単色であれ?(汗。という実に気の毒な本ですが、科博のせんせが書くプレートの境界でいかに日本列島が出来上がってきたか?というお話と、内田さんに教えていただいた地向斜造山運動がなぜ日本でこんなはびこっちゃったんだ?という地学会の動向という2つのネタがそれこそプレートの衝突ぐらいの勢いできます(w。出色なのはジルコンの微細な結晶の層をそれぞれ分析できるようになっちゃったというお話。いや、すごいです。で、問題はイラストが小さい!2015/01/20
むの☆ラノベ
5
地向斜あたりの話をもう少し削って,日本列島の具体的な発達史についてもっと書いて欲しかった.砕屑性ジルコンの話が一般書レベルで日本で出てきたのは初めてか.2016/03/12
yasu7777
4
★★★★★ 稲沢3198-537 ブラタモリの日本列島の起源の話題を見て興味を持ち、その確認のために本書をてにしたが、ブラタモリでの説明は一説であり、必ずしも正解とは限らない。本書は意欲的で面白い。細かい学説までは読みこめないが、再度読みたいと思う。2021/11/24
dahatake
1
過去の地質学会の議論も含め包括的に日本列島形成を取り扱っている。プレートテクニクス登場後の「付加体」がその主たる成分ということが興味深い。 そして、ユーラシア大陸とて幾つかの陸が合成されて成り立っているコト。そこからの地殻変動で島が形成されて、今の日本列島になっているコト。地球の時間軸での氷河期・温暖期での海水位の変化だけでなく、海底の変化も加味したより現実的な列島形成のイメージが湧いた。2022/04/17