内容説明
「行ってきます」「痛っ!」「助けて!」なにげない普通の日本語の背後に深い働きが見える。二つの言語を合わせ鏡に、夫・小林康夫との対話からうまれた日←→仏往復言語学。
目次
奥のほうへ進んでください
玄関先で失礼します
表参道で降りる
先生に本をもらった
行ってきます
助けて!
お湯を沸かして
捻挫は治った
よくまあいらっしゃいました
よく言うよ〔ほか〕
著者等紹介
ドルヌ,フランス[ドルヌ,フランス][Dhorne,France]
フランス出身。青山学院大学文学部教授。パリ第七大学大学院博士課程修了。言語学博士。同大学言語学研究所にて国家博士号を得る。専門は日仏対照言語学(発話操作理論)
小林康夫[コバヤシヤスオ]
1950年、東京生まれ。東京大学大学院総合文化研究科教授。東京大学大学院博士課程満期退学。パリ第一〇大学博士号取得。専門は表象文化論
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感想・レビュー
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田氏
21
仏語がわかってたらもっと楽しめてたかもなって。言語については、英語学ぼうかなーと定期的に適当に考えてはみる程度の見識しかなくて、でもこれを読んでみて、助詞って大概だなって思わされて。特に「て」なんて、なんて奇天烈な、って思わされるところがあって。不定的で、疑問を呈した手合に定式化されるのを徹底的に否定しているかのようでいる「て」。そうしてても丁寧で柔らかくて、単語をふわって繋いで、ニュアンスを伝えてて。やがて哲学的なテーマにも踏み込んで、的確な合いの手も入れられなくて、でもアンダンテでテンポキープ、ててて2020/12/17
swshght
12
フランス人による比較日本語論。「行ってきます」という表現がある。なぜ「行って」から「来る」のか。または「ちょっと待った」。目の前の状況に対する瞬間的な言い回しなのに、なぜ「た」と過去形で言う必要があるのか。例文の選定が意表をついて面白い。その背後にはあっと驚くような構造が隠されている。それは言語学のみにとどまるものではない。文化や空間把握にも関わってくる。著者は仏語との比較のもとに、日本語における特異かつ複雑な現象を読み解く。「位置規定のシステム」の分析はありがたい。仏語の前置詞を理解するうえで役に立つ。2014/10/05
Akiro OUED
2
日本語の密林。「お湯が沸く」と「お湯を沸かす」の違いが、発話者の述定関係にあるという指摘に、舌がもつれました。本書、フランス人が仏語で記述した原本を、日本人が日本語訳して出来上がったとのこと。書きことばでは、日ー仏語間には完全な互換性がある、ということの証でしょうか。好著。2020/08/16
ぞるば
2
いってきます、とか、いたっ!とかについて、考えたことなかったなぁ。いつもなんとなく使っている表現は、いろんな要素に支えられているんですね。助詞でこれだけのニュアンス(というのかな?)を表現していたとは。文法的に「?」とされている表現でも、あんまり違和感を覚えないものがありました。2016/11/06
satochan
2
「よく」「~てしまう」についてよくわかった。自分でわかっているつもりでも、本を読めば別の意味もあることがわかる。フランス人の人が日本語を勉強するにあたって疑問に思ったことなどが書いてあるので、日本語学習者の立場になって日本語をとらえられるのでよかった。フランス語は全然わからないけれど、少しフランスの世界も見ることができたような気がする。言葉ってすごい。2015/08/23




