講談社現代新書
女帝の古代史

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  • サイズ 新書判/ページ数 247p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784061497948
  • NDC分類 288.41
  • Cコード C0252

内容説明

古代日本における女性統治者の歴史的変遷をふまえて、女帝(王)の本質を考えねばならない。すると、通説のように女帝(王)を単なる中継ぎとしてはとらえ切れないことが了解できるだろう。なかでも、記紀に最初の女王として明記された推古は、むしろ彼女自身の資質が評価されて大王に推戴されたわけである。また、皇極の場合もその子の中大兄王子が次に即位するとは、必ずしも約束されていたわけではなかった。単なる中継ぎとしての女帝は、持統天皇が律令天皇制下の皇位継承ルールとして嫡系継承を実現して以降の、元明・元正の二女帝のみに限定されるのではないだろうか。画期的論考!「女性天皇」はなぜ必要だったか。

目次

第1章 女性統治者と祭祀―三世紀前後
第2章 男王・女王の共同統治―四、五世紀
第3章 日本古代の女王たち―六、七世紀
第4章 律令制下の女帝たち―八世紀
第5章 古代日本ではなぜ女帝(王)が輩出したのか
終章 女帝の本質

著者等紹介

成清弘和[ナリキヨヒロカズ]
1951年兵庫県生まれ。早稲田大学第一文学部史学科日本史学専攻卒業。神戸学院大学非常勤講師
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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いいほんさがそ@蔵書の再整理中【0.00%完了】

5
**日本宗教論**神話・天皇ネタの小説読解の為読了。元々、神を自身に降臨させる巫女が政治中枢を担っていた古代日本。その母系社会が、強大な父系社会である唐の影響を受け。母系⇒父系へと移行して行く過渡期の帝位としての"女帝"の存在意義を大胆に唱える――本書の真偽は定かではないが、非常に論旨が分かり易く、破綻も感じられない良書。そして古代の女性の地位を問うならば"女帝"以上に"巫女"が日本神話では、重要な位置にあると考えられています。 ⇒続き2012/11/03

isfahan

2
読みやすい本。日本古代が双系社会だったというのはたぶんその通りなのだけど、女帝の論考としては、そのことのみに偏りすぎている気もする。双系を書くなら続く平安期の藤原氏(母方)摂関政治をどう考えるかとか。2012/06/14

孤独な読書人

2
本書を読めば古代日本において女性の地位は思ったほど低くくないことがわかる。2011/12/20

猫の毛

2
古代の女帝を政治史ではなく社会制度から取り扱った珍しい視点の本。女帝推進論者による結論ありきの本ではなく、虚心に学問的に追究する点は好感が持てる。が、論拠に乏しく推論が多いのが難。2011/12/19

やまぐてぃ

2
おもしろかった。日本古代に女王や女帝が存在した理由がよくわかる。本書終盤の、唐令・大宝令・養老令の比較は興味深かった。江戸時代の2人の女帝についても知りたいなと思う。良書。2011/12/15

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