内容説明
欧米語に比べて日本語は本当にあいまいか。「ムカつく」「キレる」に潜む若者言葉の落とし穴とは。画期的視点で語る日本語論。
目次
序章 あいまいな日本語
第1章 言霊の幸わう国
第2章 甘やかされた日本語
第3章 デノテーションとコノテーション
第4章 日本語の落とし穴
第5章 日本語を点検する
終章 日本語と日本文化の未来
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
isao_key
11
日本語の特性や構造を例文を挙げて検証していく。欧米の人々は、自分の考えを「表現」し、相手方を「説得」しようとするが、日本では「暗示」することにとどめ、相手方の「察知」を期待する。この違いを日本社会の均質化だとする。漢字かな混じり文の効用を、多様なものがまじりあう不均質性のおかげで、あまり句読点や分かち書きが要らず、和語の滑らかさと漢語の力強さの取り合わせで、文にメリハリがつくと述べる。また、かなは詞の部分にどんな外国語をも音表記のまま取り入れられる万能装置であり、漢字の覚えにくさを補ってあまりあるという。2017/02/03
啄木鳥
1
日本語から漢字が無くならなくてよかった。他の言語が公用語にならなくてよかった。2018/09/29
ブルーローズ
0
意見が乏しいのは言語の曖昧さ、というつかみから始まり、日本語の体系に話を持っていくのは、曖昧じゃないってことなのかな?2010/05/12
Omelette
0
本文のなかで、日本語と、それを運用する日本社会との関係とがどうもスッキリしない。著者もそれを意識し「両者は(中略)いわば象徴関係」などといってみせるのだが。そもそもこのようなテーマのばあい、言語を独立したものとして取り扱うこと自体に無理があるのではないだろうか。また、著者は専攻のなかに言語学をあげており、丸山圭三郎の弟子で、ソシュールに関する著書もある割には、「詞」が世界の中のなにがしかに直接に対応しうるものだと受けとられかねない記述もあり、あまりに粗略な言語観ではないだろうか2010/01/13
きょーko
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日本語勉強ちぅ。自分の日本語の問題点に痛いほど気付かされる本でした。2009/08/13