内容説明
始祖・鎌足から不比等、良房らをへて道長に至り、ついに満天に輝く望月となった藤原一族。権謀、栄華、零落、風雅、伝統…。今に伝わるその足跡をたどる。
目次
第1章 草創と権力奪取の時代―鎌足・不比等と藤原四家
第2章 躍進する藤原氏―三家の衰退と北家の進出
第3章 栄華への道―骨肉の争い
第4章 望月の人―道長と摂関絶頂期
第5章 欠けゆく望月―院政期の藤原諸流
第6章 家意識の確立―中・近世の公家
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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32
中世を理解するにあたり、平安期の藤原氏を知らない訳にはいかず手に取っては見たものの、不比等を過ぎた辺りから読むのに辛くなった(笑)それでも道長以降は俄然面白く読めました。他家を排斥するに飽き足らず、藤原四家、その後の北家同士での命を賭けた骨肉の争いに至っては、人間の持つ哀しい業を感じずにはいられないですね。道長時代に栄華を極め、その後に武家に権力を渡し、応仁の乱で京の街が焼け落ちると同じ様に困窮する様を読むに至っては、貴族の歴史にも山だけではなく、深い谷があった事に驚かされた。我慢して読んだ甲斐有りです。2019/03/06
金吾
21
藤原氏の勃興から零落までわかりやすく書いています。外からの圧力には力を会わせつつも、それを排除したら血縁で争う流れがよくわかります。権力は握りますが今一政治の部分が見えない一族だなあと感じました。家系図が良かったです。2024/01/27
こぽぞう☆
15
千年は鎌足から山科言継まで。大化改新から戦国時代まで。これまで、歴史小説などで知っていた藤原氏の人々の関係がよくわかった。ただ、大学教授が書いたものなのに、日本語がおかしいところがいくつか。ちょっと残念。2018/06/22
おMP夫人
15
日本史、特に奈良~平安期に興味を持った人であれば、その存在を避けて通れない藤原氏。個人的には、もう少し鎌倉期以降の記述があると良かったかな? とも思います(当然かもしれませんが、道長の扱いが大きいです)が、鎌足に始まるその流れを短時間で掴むにはちょうど良い一冊と言えます。この本をきっかけにして、気になったり、興味を持った人物や時代を詳しく調べていくのも楽しいと思いますので、たまには戦国時代や幕末期だけではなく、この辺りにも目を向けてみてはいかがでしょうか?2012/06/18
BIN
13
中臣鎌足から山科言継まで(とその後も簡単に記載)。まさに陰謀の一族といったところですね。宮廷内の権力闘争オンリーな一族も珍しいのではないだろうか。源平の時代ということもあるが、娘ができず天皇に嫁がせることができなくなってから衰退しているのはある意味わかりやすい。異色の公家武人の藤原隆家は残念ながら登場しなかった。最後に現代でも伝統の年中行事や五摂家という言葉が生きているのはちょっとびっくりしました。2018/11/26