内容説明
説得力、論証力のある言論を展開するには何が必要か。事柄の利害・善悪、正と不正を見分け、説得に役立つレトリックと、筋道だった議論の仕方を身につける「技術」を教示する。
目次
第1章 レトリック(レートリケー)事始め
第2章 アリストテレスのレートリケー理論
第3章 ロゴスによる説得立証に役立つ固有トポス
第4章 エートスまたはパトスによる説得立証に役立つ固有トポス
第5章 さまざまな共通トポス
第6章 レートリケーとディアレクティケー
第7章 レートリケーと論理学
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
またの名
9
専門的な知識を持ってる相手ではないけど真っ当な議論によって説得しなければいけないという民主主義あるあるの状況で生まれた、古代の技術。たんに文学的な修辞として見なされる現代で言うレトリックではなく、論証や論理学といった弁舌に必須の要素まで意味していたレトリックの古典的理解を本書は説明する。言葉で渡り合う術を教えたソフィストなどにも触れつつ主に扱うのはやはり、アリストテレスの遺した諸著作。デタラメな言辞を弄する時の権力者に立ち向かうとかの用途向きかと言えば別にそうでもない。読もうとした途端文庫になるのが辛い。2018/04/19
バケツ
4
非常に面白かった。図書館本なので探して購入しようと思う。2022/10/03
Ishida the Brain Damaged
2
世の中でロジックがどうのこうの言っている人が、本当に論理的だった試しはない。そういう人はホワイトヘッド読んで絶望してから、虚心坦懐にレトリックという言葉の意味から勉強し直すべき。2011/11/09
星規夫
1
レトリックってむずかしいね! という感想しか浮かばない。だってややこしいんだもの。大学生失格ですよね。2012/01/04
J. Tamura
0
古代ギリシャのレトリックの概要を体系立てて説明している。当方プラトンしか読んだことがないが、本著によりアリストテレスが確立したレトリックを体系的に学ぶことができた。文章の展開(特に前半)も効果的に配され、どの概念も端的に説明されている点から、著者の秀才さを感じた。2018/04/22