講談社現代新書<br> ミヒャエル・エンデ

講談社現代新書
ミヒャエル・エンデ

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  • サイズ 新書判/ページ数 243p/高さ 18X11cm
  • 商品コード 9784061488922
  • NDC分類 940.28

内容説明

時間の中身にせまる『モモ』ファンタジーにおわらず、読者を主体的に参加させる『はてしない物語』。具体的に生きることと想像力の大切さなど、世代をこえて支持されるエンデ文学の秘密をおいたちや思想遍歴、未訳の作品も加えて解説。

目次

1 変貌しつづける作家
2 ミヒャエル・エンデのおいたち
3 児童文学への登場―『ジム・ボタンの機関車大旅行』・『ジム・ボタンと13人の海賊』
4 黙示録的な世界像―『遺産相続ゲーム』
5 時間のなかみ―『モモ』
6 ファンタジーの冒険―『はてしない物語』
7 意識の迷宮―『鏡のなかの鏡』
8 ミクロコモス―絵本・戯曲・詩
ミヒャエル・エンデの作品および参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

SOHSA

32
《購入本》ミヒャエル・エンデの作品と人物をより理解したいと思い、本書に取り掛かったが、やはりエンデは難敵、その奥の深さと難解さを改めて思い知らされた。代表作の『モモ』『果てしない物語』は単なる童話ではなく、エンデの思想表現の一面にしかすぎないことがよくわかった。やはり正面からじっくりと取り組むしかないようだ。エンデの読み解きの道はまだまだ先が見えない。2015/03/29

シルク

10
他の読書家さんもおっしゃっているけれど、この本は良書ではあるが、ミヒャエル・エンデについて新たな情報、知見を得られるというものではない。エンデ作品について諸々ご紹介…という感じで、エンデが好きな者にとっては、「そうそうそう! そうなのよ~!」みたいな、触れて欲しいところに絶妙に触れてくるから、「読みたいことを言ってくれた」的な嬉しさはあるものの。「己はひとつの坩堝(るつぼ)であり、私のなかに入ったもの、私が経験したことがら、私の過去すべてが、私のなかで混ざり合う」とか、「意図して紡ごうとするのではなく→2025/02/09

吟遊

9
エンデの主要作品を紹介しながら(ネタバレがある)、そこにエンデ自身による自作や自伝を語る言葉を合わせていく。良書だが、特別な知識が手に入るというほどではない。解説というより、紹介に近い。『はてしない物語』を書く時、精神病院に入りそうになるほどエンデが消耗したという逸話は面白い。渾身の作だったのだ。2016/07/25

京和みかん

6
大学教授によるミヒャエル・エンデを語る本。エンデの生い立ちや思想、ファンタジーと創作物に対する考え方が記されている。エンデにとっては「遊び」や「経過」こそが大事なキーワードだったのだろう。父の影響もあってか、虚構と現実に対する思想が根付いていた。彼は「遊び」の楽しさと、ファンタジーを「経過」して見る現実を見つめていた。どちらもいずれは自己へと回帰していくものだ。そこにこそ変化があるのだろう。ファンタジーによってもたらされる変化が読者の中にはある。エンデはそれを最後まで真摯に見つめ続けていたのかもしれない。2016/11/15

iwri

6
本書は、エンデの伝記及び主要作品を追っていくエンデガイドブックとでも言うべき本である。全体的に著者の主張は薄めで、その意味で本書を読んだあとでも、あまり先入観を持たずにエンデ作品へと入っていけるだろう。一方で、エンデの世界観へと深く分け入っていくわけではなく、熱心なエンデ読者にはかなり物足りないものとなっている。とはいえ、参考文献リストなどはこれからエンデの世界観を探究しようという人にとっては参考になるかもしれない。その意味でも、本書はガイドブックであり、ガイドブックとしては良書といえるだろう。2011/03/31

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