内容説明
あることがきっかけで学校に行けなくなってしまった中1の陽和(ひより)。夏休み、逃げるようにして訪れたおじいちゃんの家の裏山で、不思議な少女・キミちゃんに出会う。陽和は、やさしい雰囲気のキミちゃんと一気に仲良くなるけれど、ちょっとしたすれ違いでケンカ別れして、そのまま会えなくなってしまって・・・。じつは彼女は、80年前・戦時中を生きていた女の子だった。命の大切さ、尊さを感じさせてくれる、やさしくて感動の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
89
50のオッサンが手にするにはなかなか勇気のいる作家さんであり、作品ですが本日、戦後80年を迎えるにあたり本作を読了できたのはある意味、感無量でした。作者さんのデビュー作でもあり、代表作でもある『あの花が咲く丘で~』から10年の時を経て、本作もまた戦時中を扱った内容でした。主人公である中学生「日和(ひより)」は学校を不登校になり、夏休みは祖父母の家で暮らすことに。そこの裏山に出会った1人の同じ歳の女の子「キミちゃん」と仲良くなっていきます。ある日、二人は些細なコトから仲違いをしてしまい、思わぬ展開へと。2025/08/15
toshi
10
ひいおばあさんが登場したところで状況が分かってしまったけれど、物語の展開は思ってたのとは違っていた。 斜め向かいに住む幼馴染みの先輩に親しげに呼びかけただけで孤立するという設定には納得できなかったけれど、読者層を考えてあまり刺激的な原因にはしたくいなかったのかな? 戦争がテーマだから、多少は良いような気もするけれど・・。 「出せない手紙」をいつか陽和が読む時があると良いな。。。2025/08/10
本の虫
5
日本が戦争に向かっていたあの時代。男女関係なく、戦争に駆り出されていたという事実を忘れてはならないし、これを語り続けなければならない。物語は不可思議なファンタジーが入るが、汐見さんの戦争を語り続けることの大切さをしっかりと伝わりました。戦争を知らない若い人等にこう言う作品を進んで読んでほしい、と切に願うーー。2025/08/09